odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2011-08-12から1日間の記事一覧

アンリ・バルビュス「地獄」(岩波文庫) 公共サービスとインフラが整備されたから、自意識過剰の青年は閉じこもりとピーピングに「実存」を見出せる。

高校1年の夏休み、読書感想文の宿題にバルビュスの「地獄」を選んだ。人生に倦んだ青年がホテルの一室に引きこもり、のぞき穴から隣室の宿泊客を覗き見るという話。単なる旅行客がやってくるだけではなく、金持ちの老人、夫をなくした未亡人など人生の種種の…