odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2013-10-01から1日間の記事一覧

チェスタトン「ブラウン神父」について(メモ) イギリスにはアッパークラスとロウアークラスが厳然として存在し、相互に交流がないが、神父は行き来できるので謎を解ける。

チェスタトンのブラウン神父譚を発表順に並べると下記のようになる。1911年 『ブラウン神父の童心』(The Innocence of Father Brown) 1914年 『ブラウン神父の知恵』(The Wisdom of Father Brown) 1926年 『ブラウン神父の不信』(The Incredulity of Fa…

探偵小説の被害者を類型化すると

1)家、共同体で権力をふるう「君主」 2)空位になった権力を奪取しようとする「簒奪者」 3)庇護されなければならない弱者(子供、老人、病人) 4)過去の犯罪を断罪されていない「犯罪者」 5)現在の犯罪の真相を知っている「証人」「探偵」 6)過去…

笠井潔「オイディプス症候群」(光文社)-3 「閉ざされた山荘」「孤島」では探偵は被害者の一員に含まれてしまい、探偵の優位性や公平性が失われる。不可視の犯人=権力者の意思に探偵も自律的に犯人の規律に従う。

2013/09/27 笠井潔「オイディプス症候群」(光文社)-1 2013/09/30 笠井潔「オイディプス症候群」(光文社)-2 ここでは「権力」が問題にされる。というのも「閉ざされた山荘」「孤島」では、犯人と被害者が同じ場所に閉じ込められ、逃げる場所がない。そう…