odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2014-10-31から1日間の記事一覧

アドルフォ・ビオイ=カサーレス「モレルの発明」(書肆風の薔薇) 「語り手が事実を抜かしたり歪めたりしていろいろな矛盾を犯し、小説の背後に隠された真実は、ごく少数の読者にしか推測することができない」一人称の小説。

ベネゼエラの犯罪者の「私」(終身刑を宣告されている)が怪しげな漁師だったか船員だったかの誘導で、ソロモン諸島にあると思しき無人島に隠れ住む(近くの都市がラバウルだから、この辺なのだろう)。この島は周囲から隔絶していて、船は来ない。人がいない…