odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2019-10-29から1日間の記事一覧

中井英夫「虚無への供物」(講談社文庫)-1 埴谷雄高の推薦文で低評価から戦後探偵小説の傑作に急転換。そこらに落ちているミステリーとは比べ物にならない文章の密度と技術。

作者曰く、1955年にこの構想が一気にまとまったにもかかわらず、なかなか書き進めず、第2章までのところで乱歩賞に応募したのが1962年(次席)。増補して現在の形(原稿用紙1200枚)で出版したのが1964年。評価は芳しくなったが、埴谷雄高の文で再評価開始…