odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

埴谷雄高

埴谷雄高「死霊 III」(講談社文芸文庫)第九章《虚體》論―大宇宙の夢-3 日本語の限界が探求の限界。「死霊」全巻を読んでも、存在の無根拠さと孤独を克服できない。

2021/05/24 埴谷雄高「死霊 III」(講談社文芸文庫)第九章《虚體》論―大宇宙の夢-2 1995年の続き とはいえ、五日間の物語は三日目にようやく至ったにすぎない。登場人物たちのアクションで行く末の分からないままになったことはたくさんある。首猛夫は津…

川西正明「謎解き「死霊」論」(河出書房新社)-1 埴谷雄高の担当編集者でのちに文芸評論家になったものによる「死霊」論。

2か月かけて埴谷雄高の書いたもの(「文学論集」「政治論集」「死霊」)を読んできた。総仕上げは、埴谷雄高の担当編集者でのちに文芸評論家になったものによる「死霊」論。60年代後半に埴谷雄高の本を作ることから始まり、埴谷雄高の仕事の協力者として信頼…

川西正明「謎解き『死霊』論」(河出書房新社)-2 死んだ黒川の屋根裏部屋を訪れた高志の前に夢魔や一角犀・節子、社会運動組織の同士、高志の部屋に出ていた名を知らない亡霊が現れる、はずだった。

2021/05/20 川西正明「謎解き「死霊」論」(河出書房新社)-1 2007年の続き この長大な小説をおもに「存在」「虚体」をめぐる議論を批判しながら読んだ。なので「謎解き『死霊』論」を読んで、登場人物たちの関係や行動で読み漏らしたところがあったことに気…