岡本綺堂
2026/05/14 岡本綺堂「世界怪談名作集1」(青空文庫)-1 ブルワー・リットン卿「幽霊屋敷と幽霊ハンター」 世界システムの覇権国に脅威をもたらすものと秩序を守るものの対決。 1929年2026/05/13 岡本綺堂「世界怪談名作集1」(青空文庫)-2 プーシキンと…
岡本綺堂編訳の「世界怪談名作集」を読む。昭和4年1929年初出。世界の怪談の邦訳は明治13年(1881年)からあるが(下記井上勤訳の「龍動(ロンドン)鬼談」)、余程の好事家だけのものだった。それより「牡丹灯籠」「真景累が淵」「番町皿屋敷」のような…
2026/05/14 岡本綺堂「世界怪談名作集1」(青空文庫)-1 ブルワー・リットン卿「幽霊屋敷と幽霊ハンター」 世界システムの覇権国に脅威をもたらすものと秩序を守るものの対決。 1929年の続き 今から見直すと、岡本綺堂が選択した西洋怪談(一編だけ中国産)…
2026/05/13 岡本綺堂「世界怪談名作集1」(青空文庫)-2 プーシキンとディケンズ、怪談として読むか世界文学として読むか。 1929年の続き 19世紀の怪談、怪奇小説を読むと、恐怖の源泉になっているのは不死者(アンデッド)なのがわかった。不死者は殺害さ…
2026/05/12 岡本綺堂「世界怪談名作集2」(青空文庫)-1 19世紀の怪談の恐怖の源泉は不死者ノスフェラトゥ。最後の審判で救われないものに誘惑されると天国に行けないから。 1929年の続き 19世紀の怪談、怪奇小説を読みふける。でもここまで来ると、怪異に…
「世界怪談名作集」では近代(19世紀以降)のヨーロッパ(主に英米)の怪談を集めた綺堂、こんかいは中国の怪談を集める。昭和10年のこととあっては、中国の地は乱れ政権不安定で出版もほとんどないとすれば(それは大日本帝国が軍隊を派遣し、中国の地を荒…
岡本綺堂の戯曲傑作集。藤原時代から幕末にかけて、列島の歴史を一望する。上演当時(タイトルのあとの年号)は、観客読者は登場人物の故事来歴、当時の風俗世相などをよく知っていて、説明なしで理解したのだろう。そういう時代劇や歴史ものの伝統や知識は1…
岡本綺堂は「田舎の金持ち」作家(中村光夫「日本の近代小説」)。生活の苦労がないので、小説には悪人が出てこないし、社会や政府への不満や悪口はない。気遣いの善い人が上品な語り口で物語る。都会のあわただしさや軽薄さには距離を置く。海外への関心を…
「青蛙堂鬼談」が評判よかったのか、同じ百物語形式で日本の怪談を書く。百物語に参加していると思われる語り手が自分の体験談として語る。たいていは田舎出身で都会に出ていった青年。彼が久しぶりに帰省したときに聞いたり調べたりしたこととして話す。192…
岡本綺堂の長編怪談。「青蛙堂鬼談」「異妖の怪談集・近代異妖編」よりあとの作だが、読む順番は逆。代表作「青蛙堂鬼談」で落胆したのだが、こちらの長編はどうか。 飛騨の怪談1913 ・・・ 20世紀の変わり目頃の飛騨山中。地元名家の生まれの市郎。冬子とい…
都筑道夫激賞の岡本綺堂「半七捕物帳」を読む。「なめくじ長屋」の序文だったかあとがきだったか、あるいは「都筑道夫の読(ドク)ホリデー」なんかで何度も書いているので、興味のある人は読んでおきましょう。都筑は「なめくじ長屋」を書く前に「半七捕物…
2026/02/12 岡本綺堂「半七捕物帳 1~7」(青空文庫) 1916年に連載開始された捕物帳は怪談が日常の世界にひとりだけ合理主義者がいる世界の小説。 の続き 江戸時代のような封建制の社会は、三重構造になっていた。幕府のような中央政府は全領土を直接統治す…
2026/02/11 岡本綺堂「半七捕物帳 8~14」(青空文庫) 岡っ引きは武士と町人の間で治安維持のために監視する職。 の続き 半七にはさまざまな種類の犯罪の情報が入ってくる。ときには雲をつかむような目星をつけがたい事件もやってくる。でも半七は悩まない…
2026/02/10 岡本綺堂「半七捕物帳 15~21」(青空文庫) 不可解事件が続出するのに綺堂はそのことを書かない。事件の関係者の複雑さに注目する。 の続き 「半七捕物帳」の意図が書いてあった。 改めて云うまでもないが、ここに紹介している幾種の探偵ものが…
2026/02/09 岡本綺堂「半七捕物帳 22~28」(青空文庫) 「物語の背景をなしている江戸のおもかげの幾分をうかがい得られる」ために書かれた捕物帳は探偵小説に似ているが異なる。 の続き ここでは第29話から第35話までを読む。 綺堂によると、江戸時代の人…
2026/02/06 岡本綺堂「半七捕物帳 29~35」(青空文庫) 怪談と探偵小説の親和性について の続き 謎解きよりも江戸人の日常を描くことが主眼なのがわかる。ホームズをもくろんでるらしいとみたが、綺堂が注目するのは意外な犯人やトリックではなく、ロンドン…
2026/02/05 岡本綺堂「半七捕物帳 36~42」(青空文庫) 明治政府は武家政権を総否定した。江戸の風物・習俗は忘れられたが、数奇人は記録に残す。 の続き 筒井康隆「富豪刑事」では、その警察署は理想的な民主警察なので、取り調べで自白強要や誘導はしない…
2026/02/04 岡本綺堂「半七捕物帳 43~49」(青空文庫) 半七は威嚇や暴力で自白強要を迫る特高や憲兵みたいな治安維持担当者。 の続き 青空文庫なので初出情報はない。でも、「かむろ蛇」は1935年の発表。とても息の長い連載です。 半七は芝居好き。隠居し…
2026/02/03 岡本綺堂「半七捕物帳 51~56」(青空文庫) 新劇が出て古い芝居の人気がなくなった時期に、綺堂が古い芝居の形式で小説を書く。の続き 捕物帳と探偵小説の大きな違い。ここでいう捕物帳は半七捕物帳に限る。探偵小説では、探偵は事件の犯人を捕…
2026/02/02 岡本綺堂「半七捕物帳 57~63」(青空文庫) 半七は犯人を捕まえるが、事件のトリックと動機は捜査しない。目付の半七の権限や役目ではないから。捕物帳は警察小説の一種。 の続き 江戸時代、列島の人口は三千万人くらい。江戸の人口は百万人。東…
岡本綺堂の幻想・伝奇・怪異小説。ほかにも大量の長編、短編を書いているのみならず、翻訳をしたり、アンソロジーを編んだりと八面六臂の大活躍。1980年代にモダンホラーが上陸してから、あまり読まれなくなったようだが、21世紀になってたくさん本が出るよ…
中・長編のあとは、戯曲に短編に随筆。 まずは戯曲から。 平家蟹 1912 ・・・ 木下順二「子午線の祀り」の後日談、というのは、双方の作者に失礼か。壇ノ浦の戦のあと、落ち延びた官女あり。身を隠すに暮らしは立たず、なさけを売る上臈。何の因果か那須与一…