odd_hatchの読書ノート

エントリーは2800を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2022/10/06

笠井潔

笠井潔「薔薇の女」(角川文庫)

火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。現場には赤い薔薇と血の署名――映画女優を夢みるシルヴィーを皮切りに、連続切断魔の蛮行がパリ市街を席捲する。酷似した犯行状況にひきかえ、被害者間に接点を見出しかねて行き詰まる捜査当局………

笠井潔「アポカリプス殺人事件」(角川文庫)

灼熱の太陽に疲弊したパリで見えざる敵に狙撃されたカケルを気遣い、南仏へ同行したナディアは、友人の一家を襲う事件を目の当たりにする。中世異端カタリ派の聖地を舞台に、ヨハネ黙示録を主題とする殺人が4度繰り返され……。2度殺された屍体、見立て、古城…

笠井潔「熾天使の夏」(講談社文庫)

熾天使というのは旧約聖書その他に登場する天使の最上位にあるもの。単数でセラフ、複数でセラフィムと呼ばれる。我々は、英EMIのクラシック音楽の廉価レーベル「セラフィム」や映画「マトリックス」の登場人物「セラフ」でなじみがある(かな)。作中では「…

笠井潔「バイバイエンジェル」(角川文庫)

アパルトマンの一室で、外出用の服を身に着け、血の池の中央にうつぶせに横たわっていた女の死体には、あるべき場所に首がなかった! ラルース家を巡り連続して起こる殺人事件。警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件…