odd_hatchの読書ノート

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パイソンズ「モンティ・パイソン正伝」(白夜書房)

 モンティ・パイソンの全番組をそれこそ暗記するくらいに繰り返し見ると、ものたりなくなって(DVD7枚で28時間分くらいか)、それ以外のスケッチもみたくなる。そうすると、4つの映画にドイツ語版、アメリカ公演、結成30周年記念番組まであつめることになり(VTRに、DVDに、日本語吹き替え版と、同じ品をいくつも買うことになるという地獄が待っている)、それでも物足りなくなり、ついにはこんなインタビューとかのノンフィクションまでを買うことになるのだ。
 これも、そういう一冊ということになるのだろうか。デヴィッド・モーガンモンティ・パイソン・スピークス」(イーストプレス)も購入して読んだ。いずれもモンティ・パイソンのメンバーにインタビューを申しこみ、彼らの言葉を編集したもの。
 読了後の感想は、彼らも成功したことによって俗物化したことへの落胆。もはや彼らが一堂に会することはめったになく、マニアやファンが熱望するような再結成はありえない。その理由はどうも彼らの確執であるというよりも、それぞれがそれなりに成功して(ロンドンやニューヨークあたりにプール付のでかい家をもつようになっている)いることが理由のようだ。もはやあのときのような面倒なことはしたくもない、と。
 成功した人の話はあまりおもしろくない。羨望とやっかみをかんじることがあっても、教訓を得るわけではなく、彼らの人生に触発されて自分の生き方を省みるということにはならないから。多くの経営者の成功譚も、読み捨てられることになる。
 たしかにあの時代(TVショーを作っていた彼らの二十代から三十代の前半)は美しかった。それは思い出にとどめておくべきで、現在のスノッブな彼ら自身と昔話には用はない。この本たちはたたきうることにして、あの時代のフィルムを見ることに専念しようと思う。
 ここから個人的な妄想。通常、パイソンズ内部の確執は、ジョン・クリーズvsテリー・ジョーンズということになっている。それは番組制作中のこと。「モンティ・パイソン・ライブ・アット・アスペン(1998)」「パイソン・ナイト(1999)」なんかをみていると、そのころにはジョン・クリーズvsエリック・アイドルになっていたのではないかな。なんの根拠もないけど(アイドルがショーに同席しないとか、スケッチに参加しないとか、の小さなことを根拠にするトンデモ発想)。以上は妄想です、繰り返しておきます。

2011/12/22 須田泰成「モンティ・パイソン大全」(洋泉社)