odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2011-06-16から1日間の記事一覧

シモーヌ・ヴェイユ「工場日記」(講談社文庫) 1930年代軍事増強下での工場労働者の悲惨。スピードと命令、複縦が肉体を披露させ、内面を腐食する。

人間疎外が深刻化した1934年のフランス。ヴェイユは工場にはいった―冷酷な必然の定めに服し。抑圧と隷属の世界、悲惨な労働者の側に身を置き、屈辱に耐えつつ激しい宿痾の頭痛と限りない疲労の中で克明に綴られた日記は、底辺からの叫びであり魂の呻きに似た…