2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧
2006年初出で構造改革、郵政民営化などを「小さな政府」を進めた小泉政権の政策を検討する。そのために、「小さな政府」のアイデアの由来と具体的な事例も解説する。 第1章 「大きな政府」へ ・・・ 大きな政府が求められるのは、1)貧困層の増加→所得再分…
2005年頭に出た新書。「金融入門」「国際金融入門」「マクロ経済学を学ぶ」で勉強した後に、実践編のこの本を読む。 第1章 戦後復興から高度経済成長期まで ・・・ 戦後の経済成長は、政府の「余計な干渉はしない、勝手にやってください」という政策で実現…
経済学のマクロ的側面は、国民総生産、国内総生産、雇用量、物価などの集計量。これらがどのようにして決定されるかを明らかにするのがマクロ経済学。 第1章 国民総生産の決定 ・・・ 国民総生産GNPはある一定期間に国民が生産されたモノとサービスの合計額…
国際金融入門(旧版)では扱わなかった国際金融の概論。国際収支と為替レートの話にフォーカスしている。 なお、自分が読んだのは1995年初版の第1版。のちの2009年に改定されたので、そちらを読むことを薦めます。 序 章 安定的な国際金融を求めて ・・・ 新…
ここでは、モノやサービスの販売が行われる商品市場ではなくて、資金や貨幣の売買が行われる金融市場の仕組みと政府や中央銀行のできることを解説している。金融市場は目に見えにくい市場であるので(それこそ個人投資をしたり、企業の経理や財務担当になら…
2014/05/23 小栗虫太郎「完全犯罪」(春陽文庫) 2014/05/22 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(現代教養文庫) 黒死館殺人事件1 2014/05/21 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(ハヤカワポケットミステリ) 黒死館殺人事件2 2014/05/20 小栗虫太郎「日本探偵小説…
小栗の初期短編を収録したもの。1901年生まれで、若いころから秀才。19歳で結婚。21歳で亡父の遺産で印刷所を開業するものの4年で倒産。以後は働かずに小説を書き、ずっと売れないまま。一家は転々と放浪し、最初に売れたのが「完全犯罪」。結核で倒れた横溝…
1934年の雑誌「新青年」に連載された小栗虫太郎の畢生の大作。多くの人が混乱し、困惑した作品。これで4度目の読み直し。章ごとにメモを取って、細部を忘れないようにして読むことにした。これが正しい読み方かどうかは置いておくとして、行ってみようかGO。…
2014/05/22 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(現代教養文庫) 黒死館殺人事件1 の続き 第四篇 詩と甲冑と幻影造型 古代時計室へ ・・・ 乙骨耕案医師による伸子診察の報告。失神は故意か内発であり、目覚めた時に自分の名前を書かせたら「降矢木伸子」と書い…
2014/05/22 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(現代教養文庫) 黒死館殺人事件1 2014/05/21 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(ハヤカワポケットミステリ) 黒死館殺人事件2 の続き 第七篇 法水は遂に逸せり!? シャビエル上人の手が…… ・・・ レヴェズとの対話。…
2014/05/22 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(現代教養文庫) 黒死館殺人事件1 2014/05/21 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(ハヤカワポケットミステリ) 黒死館殺人事件2 2014/05/20 小栗虫太郎「日本探偵小説全集 6」(創元推理文庫) 黒死館殺人事件3 の続き…
小栗の中編(一編130枚)の傑作3本を収録。デビュー作、中期、最後期と、小栗の作家生活を鳥瞰できる作品を集めた。 完全犯罪 昭8.7 ・・・ 小栗虫太郎「完全犯罪」(春陽文庫)に詳細を書いたので省略。再読しての感想は、法水シリーズは「黒死館殺人事件」…
作家が「新伝奇小説」と銘打った作品。「黒死館」やその他の「本格」探偵小説が、暗く、閉鎖的で、書物の引用にまみれていたのが、東南アジアから五島列島に架空都市までの広がりとアクションをもち、ユーモアと恋愛がある。 二十世紀鉄仮面 1936.05-08 ・・…
昭和10年代の作品を収録。「本格」探偵小説から別の小説分野の開拓を模索していた時代。ときどき思い出したように法水麟太郎が登場する。でももう彼にふさわしい場所はなくなってしまったみたい。 潜航艇「鷹の城」 1935.04-05 ・・・ 1915年オーストリア海…
「日本探偵小説全集 6」(創元推理文庫)に収録されたが、触れることができなかった次の作の感想をここに。オフェリア殺し 1935.02 ・・・ 稀代の沙翁俳優・風間九十郎が失踪したため、急遽、法水が自作の戯曲で主演・ハムレットを務めることになった。沙翁…
小栗虫太郎は1946年に45歳で病没しているので、出版年から書いた時の年齢がわかる。「黒死館」のような「本格」ものは30代前半で、ここにあるような伝奇・冒険小説は30代後半。ほとんどの小説に日本人は登場しない。 海螺斎沿海州先占記 1941.10 ・・・ 室賀…
昭和14年1939年から昭和16年1941年にかけて雑誌「新青年」に連載された冒険小説。 有尾人 ・・・ コンゴ・モザンビイク(ママ)に住む日系人・座間のもとに有尾人が届けられる。それは、秘境「悪魔の尿溜」からさまよい出たものとしれた。フィアンセ・マヌエ…
「1918年にウィーンで28歳の生を閉じたシーレの絵が現代人をひきつけてやまない秘密はなにか。天才画家の短い生涯をたどり、秘められた精神と感覚のドラマを追究する画期的労作。」 初版は1984年。たしかにこのあと数年間、バブルが終わるまでの間、エゴン・…
絵葉書、雑誌の表紙、ポスター、広告など、およそ作家性とは無縁のグラフィックがある。その作者の無名性により意味合いはないとされるが、たくさん収集したとき、おのずと権力の意思とか大衆の欲望が見えてくる。まあ、そんなことをとくに1930-40年代の上記…
1972年のジョン・ガッテニョ「SF小説」(文庫クセジュ)ではSF小説の未来は明るい。それから12年後の1984年にイギリスで出たこの「最新版SFガイドマップ」になるとSFは危機にあるか解体寸前であるような認識に変化している。どういうところが危機かという…
これを読むと、ミステリ(探偵小説)は形式の文学だなあと思う。形式は犯罪→探偵→捜査(解決)で構成される。そこにはしばしばテーマはない。形式を踏まえていれば、何の内容もなくてかまわない。量産されるミステリ(探偵小説)はそういうものだ。また作品…
フランスのミステリ事情はあまりこの国では知られていない。ガボリオ、ボアゴベ、ルルー、ミシェル・ルブラン、シムノン、アルレー、ジャブリゾ、カレフ、本書の作家を除いて、複数の翻訳があるのはあと何人いるのだろう。これを続けると、自分の無知を天下…
1970年から雑誌「幻影城」に連載された論文に、書下ろしを加えて1975年に出版。その年の「日本推理作家協会賞」の評論部門を受賞。講談社文庫にはいったのは1977年。 取り上げられた作家は以下の通り。 小酒井不木、江戸川乱歩、甲賀三郎、大下宇陀児、横溝…