odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

ハーマン・メルヴィル

ハーマン・メルヴィル「白鯨 上」(新潮文庫)-1 誰でもない誰でもいい饒舌な語り手がテキストで世界を語りつくそうとする。

ひとところには住めない風来坊がいる。とりあえずの名は「イシュマエル」としよう(日本語訳には下記のように揺らぎあり)。商船に何度も載ってきたが、今度は捕鯨船に乗り込むことにする。一度航海に出ると数年は帰れないかもしれない長距離の航海だ。そこ…

ハーマン・メルヴィル「白鯨 上」(新潮文庫)-2 裏返しにされた「ヨナ書」。認識不可能な存在と直接コミュニケートしたいエイハブの狂気。

ハーマン・メルヴィル「白鯨 上」(新潮文庫)-1 の続き そうした引用先でも最も重要なのは「ヨナ書」。旧約聖書の中では最も短いもの(だと思う)なので、リンク先などで読むことを推奨。 口語訳聖書 - ヨナ書 冒頭付近でマップル神父がヨナ書に基づく説教…

ハーマン・メルヴィル「白鯨 上」(新潮文庫)-3 登場人物表。ピークォド号にはほとんど世界中の人種・民族の男が乗っている。

という具合に、イシュマエルみたいにどうでもいいことを書くしかないが、もはやネタは尽きた。なので、あとはこれからハーマン・メルヴィル「白鯨」を読む人のための資料を提供することにする。 まずは登場人物表。だいたい登場順。イシュマエル ・・・ 語り…

ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」(新潮文庫)-ダイジェスト1 奇人変人ばかりのクルーが集まり、狂気の海に出航する。

15分でわかるハーマン・メルヴィル「白鯨」ダイジェスト(1)。 章題は新潮文庫版によっているが、一部は異なる。章題のあとの「(鯨学)」「(捕鯨船)」は博物学的記述であることを示すために自分が追加した。サマリー中の( )は自分の補注。 おおざっぱな…

ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」(新潮文庫)-ダイジェスト2 航海は退屈なので、鯨学と捕鯨船の仕事を学ぼう。

15分でわかるハーマン・メルヴィル「白鯨」ダイジェスト(2)。 2016/09/30 ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」(新潮文庫)-1 1850年 の続き。 大西洋、インド洋、太平洋を移動する捕鯨航海。鯨学の蘊蓄がえんえんと語られる難所。 第53章「交歓(ガム)」…

ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」(新潮文庫)-ダイジェスト3 太平洋上で白鯨情報をキャッチ。執拗に追いかけるエイハブによって世界は狂気に染まっていく。

15分でわかるハーマン・メルヴィル「白鯨」ダイジェスト(3)。 2016/09/29 ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」(新潮文庫)-2 1850年 の続き。 太平洋にでて、白鯨情報をキャッチ。執拗な追跡が開始されます。 第99章「ダブロン金貨」 ・・・ マストにくぎ…