odd_hatchの読書ノート

エントリーは3400を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2025/9/26

泡坂妻夫

泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫) 昭和40年代以降の地方の大規模開発でできた施設で起きた不可思議犯罪の数々。

博物学の写真家・亜愛一郎の探偵譚シリーズ第1巻。解説によると、冒頭の「DL2号機事件」は雑誌「幻影城」の新人賞に応募して佳作になった作。その後オファーがあってこの短編集に収録された短編を発表し、プロデビューした。ただ家業の職人を止めなかっ…

泡坂妻夫「亜愛一郎の転倒」(創元推理文庫) 不可能犯罪の謎が解明されただけでは小説は完結しない。

2025/04/7 泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫) 昭和40年代以降の地方の大規模開発でできた施設で起きた不可思議犯罪の数々。 1978年の続き 博物学の写真家・亜愛一郎の探偵譚シリーズ第2巻。初出は1982年。なので、時代背景が21世紀とは異なるので…

泡坂妻夫「亜愛一郎の逃亡」(創元推理文庫) 解決編には感心したのだが、読後の印象はそれほどよくない。

2025/04/7 泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫) 昭和40年代以降の地方の大規模開発でできた施設で起きた不可思議犯罪の数々。 1978年2025/04/04 泡坂妻夫「亜愛一郎の転倒」(創元推理文庫) 不可能犯罪の謎が解明されただけでは小説は完結しない。 …

泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」(角川文庫) アマチュア奇術愛好家たちのショーも作中作の短編もエンディングにかかわるトリッキーな作者デビュー作。

1976年初出の本作中でなんどか「奇術が魔術と間違われていて困る」と嘆くのは、その直前にオカルトブームがあり、奇術者が超能力者としてテレビで「超常現象」と称してマジックを披露していたことがあるから。ユリ・ゲラーからチャネリングまで、人々を誤解…

泡坂妻夫「湖底のまつり」(創元推理文庫) 会ったはずの人は存在しない? トリッキーな作品に感心しながらも、社会問題を無視する姿勢に鼻白む。

1978年に書かれた本書は著者の長編第3作という。むかし最初の長編「11枚のトランプ」を読んで、そのトリッキーな構成に驚かされた。でも、キャラが薄っぺらいなと、軽薄な印象をもっていたが、ここでは内面描写がしっかりと描かれる。その分、物語の展開は遅…

泡坂妻夫「ヨギガンジーの妖術」(新潮文庫) ヨギ・ガンジーは正体不明の大男。ヨガと奇術の達人。人を混乱させてばかりだが、事件が起きると、優れた探偵能力を発揮。

ヨギ・ガンジーは正体不明の大男。ヨガと奇術の達人。人を混乱させてばかりだが、事件が起きると、優れた探偵能力を発揮。のちに長編にもなったシリーズ・キャラクターの登場第一作。詐術やオカルトのデバンキングも行い、憑き物落としも得意。 王たちの恵み…

泡坂妻夫「しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術」(新潮文庫) 読者を小説の中に取り込んでしまうことまでやっている電子書籍化できないミステリー。

惟霊講会なる戦前からの新興宗教は、教祖のさまざまな奇跡によって戦後、信者を拡大してきた。教祖の行うのは読唇術で、「しあわせの書」なる教義書を目につかぬように開かせ、ページの最初にあらわれる文字を当てるというもの。ほかには、目隠しをして信者…

泡坂妻夫「生者と死者―迷探偵ヨギガンジーの透視術」(新潮文庫) 最初に読んだ短編小説が長編に消えてしまう電子書籍化できないミステリー。

この文庫書下ろしの小説は変わっていて、16ページごとに袋とじになっている。まず、袋とじを開けないで「消える短編小説」を読みなさいという。読み終わったら袋とじを開けると、長編ミステリー「生者と死者」が姿を現すのだという。はて、どういうことか。 …