2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日取り上げた「ダフニスとクロエー」をこの国に移植したものはなんだろうと考えて、この作品を取り上げることにする。もちろん、初出当時からこのことは指摘されていたのであって、とくに目新しい意見ではない。 いくつか釈明をしておくと、以下を書いたの…
昨日のエントリーでロンゴスをあげたので、「ダフニスとクロエー」を取り上げます。BGMはもちろん、ラヴェルのバレエ音楽で。マルティノン指揮のが気持ちよい。ジャン・マルティノン指揮 www.youtube.com アンドレ・クリュイタンス指揮 www.youtube.com バレ…
昨日のエントリを読み直したら、福永武彦の「未来都市」が「太陽の都」に似ているなあと妄想が起きた。当初の予定を変更して、緊急(笑)エントリーでカンパネッラを取り上げます。 人生の三分の二を獄中で過ごしたという奇人(マルキ・ド・サドの獄中生活も…
夜の寂しい顔 ・・・ 田舎の漁村に高等学校受験勉強に来た15歳の少年の心象風景。父は死に、母は彼を邪険にし、姉も死んでいる。家庭で孤独で、漁村においては生産活動に参加できないことでも孤独。夢見るのは母性への憧れと女性へのサディスティックな感情…
1950年代後半に書かれた短編をまとめたもの。作品名の後の数字は初出年。 夢みる少年の昼と夜1954 ・・・ 母をなくし、父は遅くまで帰らない一人っ子。ギリシャ神話が好きで、体操は苦手な内向的な少年。夏休みの直前で、彼は神戸に引っ越すことになっている…
メールで連絡が来たので、KINDLEをバージョンアップした。このバージョンアップにより「「3.0.○」から「3.1」になるとの由。今回は写真はなし。1.PCでAmazonの通知メールを開く。2.メール本文のthese instructions.をクリック3.Amazonの案内ページに飛…
時は平安も末のころか。信濃を旅立った若者・次郎信親は、母の妹を訪ねて京の都にでる。願いは田舎でくすぶるのではなく、都で己の運を試すこと。途中、奇怪な陰陽師とであい、あわせて稀代の笛作りから名品を強引に譲り受けたところから事態が変わる。陰陽…
1962年初出。 中年のおとこ。大学教授で小説家も兼任にしている。彼の友人、上條慎吾は肝臓がんで死のうとしていた。主人公の小説家は上条のことをよく知らないが、彼の介護のために奔走する。上條は戦争中、学生結婚をしてそのまま召集。帰還すると娘が生ま…
伯父が購入したと思われる昭和30年刊の河出書房版。のちの講談社文庫版ではない。この河出書房版は新書サイズの叢書で、一連の刊行物には伊藤整「典子の生きかた」、三島由紀夫「夏子の冒険」、リルケ詩集、大岡昇平「武蔵野夫人」、石坂洋次郎「丘は花ざかり…
AmzonKINDLEではwebにアクセスできないなどと間違ったことを書いたので、wifi環境下でアクセスしてみた。wifiにつなぐ方法は省略。シンプルに言うとHOME画面で「MENU]をクリックすればたいていのオプション機能が開くということ。wifiのパスワード入力はなか…
名探偵シャーロック・ホームズとならぶ推理小説史上の巨人、アルセーヌ・リュパンは世界中の老若男女から親しまれている不滅の人間像である。つかまらない神出鬼没の怪盗、城館やサロンしか荒さぬ謎の男、変装の名人、ダンディでエスプリにあふれた怪盗紳士…
過去10年間フランス警察を手こずらせてきたリュパンは、いまや一種の国民的英雄の観を呈するに至った。シャーロック・ホームズも名刑事ガニマールも、ことごとくリュパンの前に敗北を喫している。そのリュパンが、今度はシャルムラース公爵の居城にある古美…
リュパンは長編のみならず数々の短編でも活躍して、豊富なトリックがミステリ・ファンを楽しませてくれる。本書はリュパン・シリーズの中でも最高の評価を受けている短編集であり、名作「赤い絹の肩掛け」を含め、「太陽の戯れ」「結婚の指輪」等全8編を収録…
百万フラン当選の宝くじの紛失と、フランス王冠にまつわる伝奇的な青ダイヤの盗難に端を発した、一連の怪事件解明に乗り出す名探偵シャーロック・ホームズ。フランス対イギリス、ホームズかリュパンか? トラファルガーの復讐戦を自負するリュパンの活躍。フ…
ル・アーブルの海岸にそびえ立つ、無気味な古城、その中に千古の歴史と伝説を秘めて眠る巨万の財宝! フランス大革命に断頭台の露と消えた王妃マリー・アントワネットが書き残した紙片の謎は、とめどもなく拡がって、リュパンと17歳の少年との暗号解読の競争…
水晶の栓〉とは何か? 謎は謎を生んで、複雑怪奇な様相を呈するに至る。6か月にわたるリュパンの不運・過失・模索・敗北は何を意味するのか? 運河事件に端を発し、部下の裏切りと謎の人物、剛毅、果断、沈着、明哲、大胆洒脱な怪人との対決が始まる。水晶の…
青空文庫というボランティアサイトがあり、そこには著作権の切れた主として文学と随筆、詩歌などが公開されていることはご存知だろう。iphoneにはi文庫という無料アプリがあり、webサイトからダウンロードして、読むことができる。あいにくKINDLEにはこのよ…
「謎の人物LMの手によって刑務所に放り込まれたルパンは、持ち前の沈着果敢さで警察陣を翻弄して脱獄に成功。全ヨーロッパの運命を握る秘密を解く鍵が必ずあるに違いない。が、またしてもLMの恐るべき刃は先回りしていた。LMとはいったい何者なのか? ルパン…
<ダイヤモンド王>と呼ばれる大富豪ケッセルバック氏は、全ヨーロッパの運命を賭けた重大秘密を握ってパリに出た。その全貌を明らかにすべく、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが会見したその夜、氏は何者かに刺殺されてしまった。現場に残されたレッテル”813”と…
昭和初期の雑誌「新青年」で当時の探偵小説作家に「あなたのもっとも好む探偵小説は?」というアンケートが行われた。当時のこととて、ヴァン・ダインとかポオとかルルーとかがあがるなか、小栗虫太郎は「三十棺桶島」を選択したのだった。ほかにひとり「813…
2億フランの遺産をめぐって殺された父子。その怪死の秘密の一端をつかんだ刑事は無残にも毒殺され、その手には“虎の牙”に似た歯形のついたチョコレートが握られていた。遺産相続をめぐって奸策緻密な犯人の驚嘆すべき犯罪計画の前に、窮地に立たされる不死身…
怪盗アルセーヌ・ルパンがレニーヌ公爵の名で、若くて美しい婦人オルタンス・ダニエルと共に、8つの冒険に挑戦する。怪紳士レニーヌは、生得の天才的な閃きと、過去の強盗の体験から身につけた豊富な知識で、虐げられた人達、無実に泣く人達に手を貸す。3ヶ…
1928年作。ジム・バーネットというイギリス人が「無料調査」の看板で探偵事務所を開いている。そこには貴族の末裔とか資産家とか資産運用の代理人などが訪れて(ときには警察官も)、事件の解決を依頼する。バーネットはスタイリッシュに活躍し、事件を解決…
篤志看護婦の危機を救ったパトリス大尉は、彼女の夫が殺され、その手に握っていた紫水晶のメダルと“金三角”という走り書きから、奇怪な事件に巻き込まれた。“金三角”とは? フランス金貨10億フランの謎とは? 二人の男女と国家的機密とが交錯する怪事件。大…
パリ近郊の冬の別荘地で、大金を保管する老人の動向をうかがっていたラウールことリュパンは、老人の姪が殺され、狙っていた大金も消え去るという事件に巻き込まれた。しかし、目に見えぬ運命の糸に翻弄される息子と覚しき青年とリュパンの苦闘の前に立ちふ…
ラウール・ダンドレジーは、二つの組織が追う莫大な宝石のありかをめぐる抗争に巻きこまれた。天性の美貌と才智に長けた悪の華、妖しい魅力をもつカリオストロ伯爵夫人とは何者か? そして中世の修道院の財産の行方は? クラリスへの思慕を胸に秘め、若きア…
ジャン・デルルモン侯爵邸に忍び込んだラウールは、未解決のまま謎とされている15年前の惨劇――凶弾に倒れた歌姫の死に、侯爵がかかわっていることを知った。果たして事件の裏に潜むものは何か。瓜二つの金髪の美女。ギャングの親分を追うゴルジュレ警部。い…
新妻の母親の肖像画を前にして、ポール・デルローズの血は凍った。画中の女性こそ、16年前に彼の父親を刺し殺した犯人ではないか! これは運命か、それとも宿命か……。妻が残していった日記を手がかりに、怪盗紳士アルセーヌ・リュパンの助力を得て、義弟とと…
リュパンが逮捕される。神出鬼没、天下無敵の怪盗紳士が豚箱入りとは。債券の盗難事件を発端として展開する波瀾万丈の大絵巻のなかで浮きつ沈みつする美女、こそ泥、えせ貴族たち……それを押しのけ、ヴィクトールは遂にめざすリュパンをしとめる。しとめるこ…