odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

エリザベス・フェラーズ

エリザベス・フェラーズ INDEX

2020/03/23 エリザベス・フェラーズ「その死者の名は」(創元推理文庫) 1940年2020/03/20 エリザベス・フェラーズ「細工は流々」(創元推理文庫) 1940年2020/03/19 エリザベス・フェラーズ「自殺の殺人」(創元推理文庫) 1941年2020/03/17 エリザベス・フ…

エリザベス・フェラーズ「その死者の名は」(創元推理文庫) 素人探偵が警察の暗黙の了解を得て、村の事件を捜査するが、よそ者にはそう簡単に心の内を明かさない。

深夜、ミルン未亡人は人をひいてしまったと、警察に飛び込む。要領を得ない話を聞くと、道の真ん中に寝込んでいた男を自動車で轢いてしまった。困ったのは、この男のことがさっぱりわからない。泥酔していたのはわかったが、ホテルに泊まっているわけでもな…

エリザベス・フェラーズ「細工は流々」(創元推理文庫) 頭が切れて口かずの多い若者がときに無遠慮に他人のプライバシーに踏み込みながら、一族の隠し事を調べていく。

ルー・ケイプルという若い女性がトビーに15ポンド貸してくれと頼みに来る(リンク先の回答を使うと、2019年の現在価値で30-35万円くらい)。トビーは断り切れなくて小切手を切る。 detail.chiebukuro.yahoo.co.jp 翌日、男の声でルーが殺されたという電話が…

エリザベス・フェラーズ「自殺の殺人」(創元推理文庫) 隠れテーマは父のパターナリズムと娘のリベラリズムの葛藤。

ジョアンナ・プリースは23歳になっても職に就かずにぶらぶらしている。そのことを父エドガーは気に入らない。同居する秘書ペギィ・ウィンボードがしっかり者なので、どうしても実の娘に厳しくなる。最近はますますよそよそしくなり、ジョアンナに厳しく当た…

エリザベス・フェラーズ「猿来たりなば」(創元推理文庫) 家畜やペットの殺害は器物損壊か動物虐待で扱われるが、チンパンジーが人のように殺されていると事件になる。

通常、家畜やペットの殺害は器物損壊か動物虐待で扱われる。警察もそれほど熱心には捜査を行わない(21世紀にはパンデミック予防で大騒ぎになるけど)。なので1942年にイギリスの寒村で起きたチンパンジーの殺害事件に警察はさほど興味を覚えなかった。 でも…

エリザベス・フェラーズ「私が見たと蠅は言う」(ハヤカワ文庫) 戦初期のまだ安全だったころのロンドンで、貧乏な下宿人たちにおこる殺人事件。孤独な個人は隣人を知らない。

「ロンドンの安アパートは、女流画家のケイ、評論家のテッドとその愛人メリッサ、建築家のチャーリーに、作家志望のナオミなど一癖も二癖もある住人揃い。ある日、フランスへ行くとアパートを出たナオミの部屋からピストルが発見された。みんなが不安を煽ら…