odd_hatchの読書ノート

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スタニスワフ・レム

スタニスワフ・レム INDEX

2013/03/11 スタニスワフ・レム「エデン」(早川書房) 2013/03/08 スタニスワフ・レム「星からの帰還」(ハヤカワ文庫) 2013/03/07 スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」(ハヤカワ文庫) 2013/03/06 スタニスワフ・レム「砂漠の惑星」(ハヤカワ文…

スタニスワフ・レム「エデン」(早川書房) コミュニケーションが取れない辺境の惑星を探検する「海洋冒険小説」。

「惑星エデン―宇宙空間に巨大なオパールのしずくのように煌めくその星に、6人の地球人科学者を乗せた宇宙探査船が不時着した。だが、地表で彼らが見たものは、巨大な生体オートメーション工場と、その大量の廃棄物、そしてエデン人の累々たる死骸の堆積だっ…

スタニスワフ・レム「星からの帰還」(ハヤカワ文庫) もしも浦島太郎(ロビンソン)が脳外科手術で改造された人間ばかりの故郷に帰ってきたら。

星間宇宙船プロメテウス号を建造し、彼らは10年間の調査探索の旅に出た。帰還したとき、地球時間で127年が経過している。そのとき、地球では驚くほどの変化が生じている。宇宙船乗組員たちはとまどう。 西暦2200年頃の地球は、機械文明を発達させている。超…

スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」(ハヤカワ文庫) 小説そのものがソラリスの〈海〉のように読者である自分のトラウマを引き出す。

惑星ソラリスは発見されてから数百年がたっているが、地球人の研究を頑強に拒んでいる。二つの恒星を周回する惑星であり、通常は軌道は安定しないのだが、この惑星は安定した軌道を持っている。それはどうやら、惑星全体を占める海のためであるらしい。地球…

スタニスワフ・レム「砂漠の惑星」(ハヤカワ文庫) 「霊」がいない辺境の惑星で起きた幽霊屋敷の怪異譚。

「6年前に消息をたった宇宙巡洋艦コンドル号捜索のため“砂漠の惑星”に降り立った無敵号が発見したのは、無残に傾きそそりたつ変わり果てた船体だった。生存者なし。攻撃を受けた形跡はなく、防御機能もそのまま残され、ただ船内だけが驚くべき混乱状態にあっ…

スタニスワフ・レム「天の声」(サンリオSF文庫) 天の声を解読できない人間は宇宙的意思や進化から取り残されているのでは。

小熊座に観測機を向けていたらニュートリノの信号を受信した。でたらめなノイズだと放置していたら、それは規則性をもっていることがわかった。およそ416時間ごとに繰り返され、二進法で表示されているらしい。人類初めての知的生命体とのコンタクト! いろめ…

スタニスワフ・レム「枯草熱」(サンリオSF文庫) 探偵には向かない男が間違っていてばかりの捜査と推理をする「ハードボイルド」。

火星飛行士だった「私」は探偵に転職し、ある「事件」の調査を依頼される。50歳過ぎの中年男性が泳ぎに出て溺死したり、狂って窓から飛び降りたり、高速道路を歩いて轢き殺されたり、拳銃を口にくわえて自殺したり。その数12人。共通点はというと、50歳くら…