odd_hatchの読書ノート

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ウラジミール・ナボコフ

ウラジミール・ナボコフ「ロリータ」(新潮文庫)-1

550ページの長い小説を読み終えた後に、充実感ではなくて、読み込み不足を感じて、即座に最初のページに戻り、もう一度読み直さなければならないと読者に思わせる小説。今度は、作者の仕掛けをきちんと読み取ろうと思って読んでいても、たぶんまだ見落としが…

ウラジミール・ナボコフ「ロリータ」(新潮文庫)-2

2016/10/07 ウラジミール・ナボコフ「ロリータ」(新潮文庫)-1 の続き。 ハンバートの主張によると、女は子供と成人の間に、<少女>と呼ぶべき特別な一瞬があるという。それをニンフェットと呼ぶ。年齢は9歳から14歳の間。すべての女がニンフェットになる…

ウラジミール・ナボコフ「ナボコフの一ダース」(サンリオSF文庫)

タイトルは「一ダース」だけど、収録されているのは13編。なんてサービスのよいナボコフさんなんでしょう。ロシア貴族でロシア革命で西洋に亡命。ロシア語とフランス語と英語を自在に操る文章の魔術師。その短編集を読んでみた。 フィアルタの春 1938 ・・・…

ウラジミール・ナボコフ「ベンドシニスター」(サンリオSF文庫)

ドイツとロシアに隣接としているその架空の国は、パドゥクという独裁者が指導する普通人党が支配している。独裁者の主張は「均等主義(イクォーリズム)」というもので、共産主義は経済の平等の達成を目指したが、ここでは能力と権能についての平等を達成し…

ウラジミール・ナボコフ「賜物 下」(福武文庫)

2014/04/10 ウラジミール・ナボコフ「賜物 上」(福武文庫) の続き。 1920年代のベルリンにおける亡命ロシア人コミュニティが舞台である、というのは読み進むにつれて、ほのめかしや断片的な情報を組み合わせてわかること。実際には、どの都市のどの時代な…

ウラジミール・ナボコフ「賜物 上」(福武文庫)

1917年10月の革命はロシアの貴族に大打撃になる。ケレンスキーの臨時政府にしろ、社会党・共産党の支持団体にしろ、貴族の財産没収を積極的に進めていたから。屋敷は取り上げられ、家財道具他が略奪されたり。そこで多くの貴族はロシアを離れることにしたが…