odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

コリア

趙景達「近代朝鮮と日本」(岩波新書)-1 朝鮮に視点を定め、日本が「異人」であるかのように朝鮮と日本の近代史を見直す。

これまで全く無知だったので、朝鮮の近代史と日本の植民地政策を勉強するために、以下を読んできた。2017/05/25 海野福寿「韓国併合」(岩波新書) 1995年2017/05/24 高崎宗司「植民地朝鮮の日本」(岩波新書) 2002年 また同じ時代の日本の近代史はさまざま…

趙景達「近代朝鮮と日本」(岩波新書)-2 日本史を外国の目から見るとき、列島の住民の「常識」(例えば司馬遼太郎「坂の上の雲」)が覆される。

2024/05/14 趙景達「近代朝鮮と日本」(岩波新書)-1 朝鮮に視点を定め、日本が「異人」であるかのように朝鮮と日本の近代史を見直す。 2012年の続き 日本史を外国の目から見るとき、列島の住民の「常識」が覆される。ことにこの時代の朝鮮半島のできごとを…

池明観「韓国 民主化への道」(岩波新書)

韓国の1945年の日本からの解放後を、民主化という視点で歴史をみる。1980年以降の韓国の民主化運動は、とても参考になる。どころか、日本は学ばなければならない。ことに、不正をする大統領を辞任に追い込み、逮捕させた2016年のろうそく革命(100万人でもが…

鄭大均「日本のイメージ 韓国人の日本観」(中公新書) 1945~2000年の韓国ナショナリズムのあらまし。21世紀に韓国人の日本観は劇的に変化している。

日本に住む朝鮮にルーツを持つ人たちが日本をどう見ているかは、たとえばこれらが参考になった。そこからわかるのは、数十万人数百万人もいるグループだから、考え方は多種多様。ルーツが同じという属性だけで均質な集団になっていると思い込んだら大間違い…

文京洙/水野直樹「在日朝鮮人」(岩波新書)-1

在日朝鮮人の問題を歴史的にみる。明治政府以降の日本がどのような政策を朝鮮に取ってきたかは以下のエントリーを参考。これらには日本国内の事情はほとんど書かれていないので、本書で補完することになる。2017/05/25 海野福寿「韓国併合」(岩波新書) 199…

文京洙/水野直樹「在日朝鮮人」(岩波新書)-2

2022/05/19 文京洙/水野直樹「在日朝鮮人」(岩波新書)-1 2015年の続き 後半は日本の敗戦後。日本にいることを選択した/余儀なくされた在日朝鮮人の歴史や記録は多数でている。自分が読んだのは以下の数冊だけ。勉強不足です。2019/4/26 福岡安則「在日韓国…

徐京植(ソ・キョンシク)「在日朝鮮人ってどんなひと? (中学生の質問箱)」(平凡社)

日本は単一民族、一民族一国家と言われることが多いが、それは幻想。実際は、さまざまなマイノリティがいっしょに住んでいる場所。それを確認することから始めよう。突っ込みを入れれば、ネトウヨの大好きな「大日本帝国」は満州・朝鮮・台湾を併合して「五…

T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 1972年10月に戒厳令が布かれて以来の緊迫する韓国の政情を伝える匿名者の報告。

内容と著者をめぐって問題があるらしい。2003年になって著者が明らかにされ、著述方法がわかった。著者自身は韓国に入国することがかなわないので、知人その他を通じて韓国の情報を伝えてもらう。それを編集して文章にまとめた。当時の韓国は新聞その他のメ…

T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 1974-75年の韓国状況。軍人の独裁政治と不況で人権の侵害と無視が横行する。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き1974年7月から1975年6月までのレポート。田中角栄がロッキード疑獄で退陣し、三木に総理大臣が変わった。アメリカの大統領もニクソンが失脚し、ジョンソンに代わっていた。大きな出来事はベトナム…

T・K生「第3 韓国からの通信」(岩波新書) 1975-77年の韓国の状況。日本企業は韓国に投資し、独裁政権の人権侵害と公害輸出に加担する。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/26 T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き、1975年5月から1977年8月にかけてのレポート。 主な主題は「3.1民主救国宣言」裁判。1976年3月に思想・良心の自由がないこと、韓国の経済が…

T・K生「軍政と受難」(岩波新書) 1977-80年の韓国の状況。朴大統領暗殺と光州事件。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/26 T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/25 T・K生「第3 韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き、1977年11月から1980年7月にかけてのレポート。 おさらいすると朴正煕(パク・チョ…

野村進「コリアン世界の旅」(講談社文庫) どこにでもあるコリアン世界に目を向けないための方策として日本人は「無関心」「無知」を言い訳にする。

この国の言説で自分が納得いかないのがふたつほどあって、ひとつは「この国は単一の民族、千五百年の伝統」みたいなこと。民俗学や歴史学を勉強するとそうではないよな、とわかる。これは下記のマイノリティを持ち出さずとも、説明されている。もうひとつは…