トーヴェ・ヤンソン
トーヴェ・ヤンソンのムーミンシリーズを「謎とき」風に読む。テキストに書かれていることを頼りに謎や意味を見出そうとする。過去に一通り読んだので、ストーリーのサマリーは作らず、読み達者による興味深い指摘を読む。なので、以下はそれぞれのストーリ…
「ムーミンを読む」ちくま文庫で一冊ごとの分析をしたので、今度はキャラ分析を読む(出版は「ひみつ」が先)。 冒頭のムーミンシリーズのまとめが秀逸。・やさしくわかりやすく、ときとして説明的すぎる。・年齢や欲求に応じて、多重的に読み解く余地を与え…
「ふたつの顔」は多重的。この国ではムーミンはアニメ→児童文学→コミックスの順に知られているが、ヨーロッパではコミックス→アニメ→児童文学の順に知られているそう。アメリカではほとんど人気がない(なのでWWEがフィンランド遠征した時、日本出身のTAJIRI…
2013/03/29 トーヴェ・ヤンソン「ムーミン谷の彗星」(講談社文庫) 2013/03/28 トーヴェ・ヤンソン「たのしいムーミン一家」(講談社文庫) 2013/03/27 トーヴェ・ヤンソン「ムーミンパパの思い出」(講談社文庫) 2013/03/26 トーヴェ・ヤンソン「ムーミン…
小学生のころ、読書は好きだったが、貧しい家だったので本を買ってもらうことはあまりなかった。あるとき、母が移動図書館で借りてきたものを読んでいっぺんに好きになってしまった。小学4年生から卒業するまでに、「ムーミン」「ドリトル先生」「ツバメ号…
第2作。彗星事件(事件の詳細は「ムーミン谷の彗星」を参照)の翌年、冬眠から覚めたムーミン谷のお話。彗星事件でムーミン谷に逃れたヘムレンさんやじゃこうねずみもいるし、スナフキンも旅には出ていない(途中で出立するが)。お話は、ムーミンが遊びに出…
第3作目で1950年の作。 風邪を引いてすっかり弱気になってしまったパパ。ベッドに引きこもっているのをママが心配して、自分の思い出を書いたらと勧めた。パパの思い出と、それを読み聞かせられた子供たちの会話が交互に現れる。 よく知られるように、パパは…
その年の夏のムーミン谷はとても暑く、しかも休火山が活動を開始していた。ムーミントロールはスナフキンが帰ってこないので不満気味。スノークのお嬢さんはムーミンの気を引こうとするが失敗してしまう。ある蒸し暑い夜、不気味な地鳴りと地割れが起こり、…
1957年初出の第5作。 冬になると、スナフキンはバックパックを背負って南に行き、ムーミン一家は松葉を腹いっぱい食べて11月から4月まで冬眠してすごす。その冬もそうやって過ごすはずだったが、ムーミントロールは真冬のあるとき目を覚ましてもう眠れなくな…
1963年に発表された短編集。ムーミン一家が主人公になることはめったになくて、新しいキャラクターのほうに描写の力を入れる。 春のしらべ ・・・ スナフキンは春の調べが生まれてくるのを待っていた。彼の歌は孤独の時でないと生まれない。そのきざしはあっ…
憂鬱が募ったムーミンパパは、家族の賛同を得ないで、灯台守になることにした。付き添うのは、ママにムーミントロールにちびのメイ(いつのまにかムーミン家の養子になっていた)の3人。島には灯台はあるものの無人で放置され、無口で人嫌いの漁師がいるだ…
秋がムーミン谷に近づく。そろそろ雪に閉ざされ、みんな家に閉じこもることになるのだ。そのようなある日、谷の人々が突然、人恋しくなった。 スナフキンは旅の途中、「雨の曲」を作ろうとしたが、どうしてもメロディが生まれてこなかった。雨にふさわしい五…