ウィルキー・コリンズ
初出1860年というと、この国はまだ封建時代にいて、このような近代的自我を描く小説はなかった。汽車と馬車と徒歩で移動し、郵便で情報交換するしかない時代の物語は悠揚迫らず、心地よい陶酔(睡魔ともいう)に読者を誘う。筋立てや謎はゴシック・ロマンス…
2018/02/27 ウィルキー・コリンズ「白衣の女 上」(岩波文庫) 1860年 小説はさまざまな登場人物による手記や日記、手紙など。事件を鳥瞰できるものはいないし、神のようにすべてを見通す視点も存在しない。それぞれの人物による制約や偏見がある文書を読む…
2018/02/27 ウィルキー・コリンズ「白衣の女 上」(岩波文庫) 1860年 2018/02/26 ウィルキー・コリンズ「白衣の女 中」(岩波文庫) 1860年 第2部の終わりに、ウォルター・ハートライトが帰還。期待通りにたくましい男になって、ハルカムとローラのまえに…
1868年発表の長編。大長編。活字が小さくて行間の狭い創元推理文庫版で770ページもある。このごろのゆったりしたレイアウトにしたら1200ページを超えるのではないかしら。 プロローグ セリンガパタムの襲撃(一七九九年) ある家の記録よりの抜粋 ・・・ バ…
2018/02/22 ウィルキー・コリンズ「月長石」(創元推理文庫)-1 1868年 この長編は事件にかかわったフランクリン・ブレークが関係者に手記を書くように手配し、ほとんど手を加えないで、つなげたという趣向になっている。事件全部にかかわる「探偵」はいない…
2018/02/22 ウィルキー・コリンズ「月長石」(創元推理文庫)-1 1868年 2018/02/20 ウィルキー・コリンズ「月長石」(創元推理文庫)-2 1868年 もっとも大きな謎は解けたとはいえ、まだまだ未解明な点が多々あり、捜査と冒険はこのあとも続く。 第四話 エズ…