odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

鶴見俊輔

久野収/鶴見俊輔/藤田省三「戦後日本の思想」(講談社文庫)-2 「社会科学者」「知識人と大衆」。1957年の日本の思想地図。

2015/12/23 久野収/鶴見俊輔/藤田省三「戦後日本の思想」(講談社文庫)-1 の続き。 社会科学者の思想――大塚久雄・清水幾太郎・丸山真男 ・・・ ほかに名の出るのは、川島武宜、内田義彦、花田清輝、大河内一男、宮城音弥、渡辺慧、都留重人、南博、磯田進、…

久野収/鶴見俊輔/藤田省三「戦後日本の思想」(講談社文庫)-1 「近代文学」「民科」「心」「生活綴り方サークル」

1957年から中央公論に連載された論文。戦後の日本の思想運動から6つのタイプを抽出する。3人で分担して一人がレジュメをつくって発表。そのあと、3人の対談となる。このやり方はたぶんアメリカのゼミなどではあっても、この国のアカデミズムにはなかった(好…

鶴見俊輔「戦後日本の大衆文化史」(岩波現代文庫) 1945-1980年の精神史をカナダの大学生に語る。サブカルチャーを題材にして思想史や精神史をかたるという方法の最初(のひとつ)。

「戦時期日本の精神史」につづいて1945-1980年の精神史をカナダの大学生に語る。この時代になると、転向論で分析するのは難しい。代わりに注目するのが大衆文化。マンガに寄席にTV番組に歌謡曲に・・・という具合。だいたい同じ時代に吉本隆明「マス・イメー…

鶴見俊輔「戦時期日本の精神史」(岩波現代文庫) もしもこの国の歴史を全く知らない人に戦時期日本を説明する。カナダの学生向けの講義は21世紀には全日本人向け。

もしもこの国の歴史を全く知らない人に現代史を説明することになったら。その人にはこの国に住む人の常識とされることがまったく伝わらない。「国体」「転向」「226事件」「満州事変」「隣組」「天皇機関説」がそのままでは伝わらない。「ちゃぶ台」「おひつ…

鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 III」(思想の科学社) 1967年、リベラル派が戦争体験を語る。第3巻は戦争中に学生かそれより幼少だった人たち。

2012/06/30 鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 I」(思想の科学社) 2012/07/02 鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 II」(思想の科学社) の続き。 1巻、2巻が戦争中にすでに職業についていた人たち、すなわち自分はいかにあるか(食うか)がはっきりしている人たちだった。3…

鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 II」(思想の科学社) 1967年、リベラル派が戦争体験を語る。第2巻も戦前派。60年安保は重大な体験。

2012/06/30 鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 I」(思想の科学社) の続き。 都留重人 ・・・ アメリカは戦争の前から日本を対共産主義の橋頭堡とすることを考えていて、占領政策もその方針で行われた。このとき、日本の官僚制度をそのまま利用した。昭和22年ころか…

鶴見俊輔「語りつぐ戦後史 I」(思想の科学社) 1967年、リベラル派が戦争体験を語る。第1巻は戦前に就職していた戦前派。

雑誌「思想の科学」が創刊されて20年くらいたつ1967年に、多田道太郎の企画で雑誌に関係の深い人との対談をすることになった。聞き手は鶴見俊輔で、3年ほどで30人以上の対談が集まった。この第1巻では、「思想の科学」創刊に関わったひとたちを集めた。あと民科…