odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

都筑道夫「少年小説コレクション6」(本の雑誌社)-「拳銃天使」「どろんこタイムズ」 冒険アクションや少年推理のジュブナイル。昭和35年前後の作品。

1959-61年のジュブナイルのうち、冒険アクションや少年推理ものを集める。下記は「少年マガジン」「漫画王」「高校時代」「中学時代」「中学生の友」「中学生画報」などに連載されたもの(ベビーブームの子供たちがいっせいに進学したころで、生徒向けの雑誌…

都筑道夫「少年小説コレクション5」(本の雑誌社)-「未来学園」「ロボットDとぼくの冒険」

1960-80年のジュブナイルのうち、SF、ホラーの系統にあるものを集める。 未来学園 1965.04-1966.03 ・・・ 百年後(2065年)の中学1年生の生活。野村マリとクニオの一卵性双生児が学園に入寮する。そこで起きる騒動。幽霊、電話破壊、消える死体、誘拐、宇…

都筑道夫「少年小説コレクション4」(本の雑誌社)-「妖怪紳士」「ぼくボクとぼく」 SF、ホラーの系統にあるジュブナイル長編。

1960-70年のジュブナイルのうち、SF、ホラーの系統にある長編を3つ収録。 「妖怪紳士」は週刊少年キングに連載(このころにはマガジン、サンデー、ジャンプはマンガのみになっていたので、小説の連載はめずらしい)。この時代を思い出すと、1965年から水木…

都筑道夫「少年小説コレクション3」(本の雑誌社)-長編「蜃気楼博士」と「中一時代」に連載されたフォト・ミステリー。

1970年前後のジュブナイルのうち、本格推理の系統にあるシリーズをまとめる。 蜃気楼博士 第一の挑戦 蜃気楼博士 1969.05-11 ・・・ 久保寺俊作はアメリカでドクター・クボとして有名になったマジシャン。その見事さから、ドクター・ミラージ、すなわち蜃気…

都筑道夫「犯罪見本市」(集英社文庫)

初出は1970年だが、書かれたのはもっとまえの1960年代前半とおもう。初出の情報は不可欠なので、解説を書くときは必ず書いてくださいな。あなたの楽しみだけを書くところじゃない。 個々には関係のない独立した短編を集めたもの。 影が大きい ・・・ やさ男…

都筑道夫「十七人目の死神」(角川文庫) 1960年代に書いて単行本に収録されていなかった怪談小説。本文よりも、作家によるあとがきのほうがおもしろかった。

主に1960年代に書いて単行本に収録されていなかった怪談小説を自分でまとめて(古いものに手を入れて再発表したものが多いので1970年代の発表日付がついているが)、一作ごとにあとがきを追加したもの。1972年にでた。お気に入りの短編は、1975年の 都筑道夫…

都筑道夫「夢幻地獄四十八景」(講談社文庫) 伊呂波48文字で始まるショートショート集。SF、ミステリー、時代劇、活劇、現代風俗もの、などジャンルの広がりが大きい。

1972年出版のショートショート集。文庫になったのは1980年。 ショートショートだけを集めたものはいっきに読み通すのがなかなか難しい。話題や主題が奔放に飛んでいくので、数編前のがどんな話だったかを思い出せなくなる。そのうえ一冊全体の印象を持てない…

都筑道夫「吸血鬼飼育法」(角川文庫)

ファースト・エイド・エージェンシー主宰の片岡直次郎。よろずもめごと解決業とでもいうか、どんな依頼であっても、「ノー・ジョブ・トゥースモール、ノー・プロプレム・トゥー・ビッグ」と涼しい顔をする。きちんと報酬をいただければ、何でも(自らコロシ…

都筑道夫「危険冒険大犯罪」(角川文庫)

単行本の初出は1974年。収録された中短編は記述からすると、もう少し前に書かれたと思う。 俺は切り札 ・・・ ファースト・エイド・エージェンシー主宰の片岡直次郎。今回の依頼は、フランスの大画家ゲクランの描いた「拘束衣を来た狂女」の本物を入手しろと…

都筑道夫「七十五羽の烏」(角川文庫)

「タロー・モノノベ、サイキック・ディテクティヴ」に最初に依頼してきたのは、無為の日々をすごすこと一月半たってのこと。茨城の叔父が「滝夜叉姫」の怨霊に殺されるかも、心配なので調査してという若い女によるもの。茨城は平将門の旗揚げの土地で、古い…

都筑道夫「七十五羽の烏」(光文社文庫)

デュパンの昔から、探偵というとスノッブで人嫌いで高踏派で韜晦趣味があるという相場だった。そういう現実には存在しない「名探偵」がたくさんいたので、反動としてリアルな私立探偵や警察官が主人公になることがあった。第3の道を開いたのが、レックス・…

都筑道夫「最長不倒距離」(角川文庫)

「七十五羽の烏」事件を解決したので、ものぐさ太郎の父が勝手に新たな依頼人と契約してしまった。今度は黒馬温泉の老舗旅館。むかし心中事件があって幽霊が出ると評判だったのに、最近ちっともでない。どうにかもう一度出るようにならないか、という突拍子…

都筑道夫「朱漆の壁に血がしたたる」(角川文庫)

推理作家の紬志津夫(短編「悪役俳優」1989.12@袋小路にも同名の作家が登場)が、読者の応募した不可能状況を解決するチャレンジに取組ことになった。謎解きはできるが、そうする合理的な理由を思いつかないと悩む。再婚した若い妻が、昔似たような事件があ…

都筑道夫「魔女保険」「幽霊売ります」(角川文庫)

角川文庫のショートショート集成。1973年に「悪意辞典 ショートショート集成2」というタイトルで単行本になった。「幽霊売ります」と「魔女保険」の分冊になった文庫版の初出は1980年。ほかに「悪夢図鑑」「悪業年鑑」というタイトルでショートショート集成…

都筑道夫「あなたも人が殺せる」「感傷的対話」(角川文庫)

角川文庫のショートショート集成。1973年に「悪夢図鑑 ショートショート集成1」というタイトルで単行本になった。「あなたも人が殺せる」「感傷的対話」との分冊になった文庫版の初出は1979年。ほかに「悪意辞典」「悪業年鑑」というタイトルでショートショ…