2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧
一九三七年(昭和一二)から一九四一年(昭和一六)までの歴史。この巻では、「太平洋戦争」の戦闘指揮官と東京裁判のA級戦犯が登場して「大活躍」する。彼らの名前を憶えておいて読むとよい。 日中戦争の歴史的意味 ・・・ 1931年から1945年まで続いた戦争…
2022/12/23 藤原彰「日中全面戦争 昭和の歴史5」(小学館文庫)-1 1988年の続き 1939年になると、次の首相を決めるシステムが働かなくなる。昭和天皇は元老や宮内庁などが根回しして決めたことを後追いすればよかったが、この時期になると自分で判断すること…
本書では昭和(1927年)になってから以降の政党の動きを見る。それ以前の政治状況は以下のエントリーを参考に。金原左門「昭和への胎動 昭和の歴史1」(小学館文庫)-1金原左門「昭和への胎動 昭和の歴史1」(小学館文庫)-2 政党はそれまでなかったわけで…
2022/12/20 粟屋憲太郎「昭和の政党 昭和の歴史6」(小学館文庫)-1 1988年の続き 1920年代後半の経済トピックは金解禁。本書では記述は少ない。そこは経済史の本で補完しておきたい。2015/03/23 中村隆英「昭和恐慌と経済政策」(講談社学術文庫)2015/03/2…
この時代(1941~1945年)はおもに戦史を読んでいて、陸海軍の各地の戦闘はそれなりに知っていた(日本の側から戦史分析をすると見方が偏る/見えないものがあるので、相手国からの戦史も参照するべき。マッカーサーのみならず毛沢東や朱徳の立場から見ること…
1976年のジャック・スマイト監督の映画「ミッドウェイ」は、海戦・空戦のシーンになる後半になると、ドラマがなくなる。どうにかして戦争や戦闘の全体を伝えたいという意欲があるものの、カメラの眼は目前のシーンに注目してしまう。なにしろ、戦闘の帰趨を…
日本海軍の特攻兵のなかに、1944年10月から翌年3月までに9回以上出撃して生還した下士官がいた。生還したのは、体当たりのかわりに爆弾を投下(固定された爆弾を取り外せるように修理)したり、天候不充分で敵艦を見つけられなかったり、整備不良で帰投した…
今まで日本軍、とくに15年戦争時代の日本軍、には紋切り型の説明がなされてきた。曰く精神主義、曰く非合理、曰く戦略・戦術なしなど。20世紀の軍批判はその線にそって行われてきたが、それは正しいのか、という問い。21世紀には、日本軍が残した資料をつか…
2022/12/12 一ノ瀬俊也「日本軍と日本兵」(講談社現代新書)-1 2014年の続き 太平洋戦線での日本軍は、奇襲と集団突撃か陣地とたこつぼによる防御かの同じ戦法を繰り返した。米軍との戦いで創意したのではなく、中国戦線での成功体験を繰り返していたとみた…
8月15日正午はとても暑く、校庭や工場などに集まってラジオから流れる「玉音放送」を聞き、その後嗚咽する者がいたりしたが、多くのものは虚脱した(ちかくに朝鮮人部落があるものはそこから流れる祭りの音に驚いたりもする)。以来、8月15日は慰霊の日とし…
1945年から52年まで。日本が他国に占領され、主権が制限されていた時代。これまでに読んだ参考書は下記など。2015/04/10 竹前栄治「占領戦後史」(岩波現代文庫)2021/01/29 雨宮昭一「占領と改革」(岩波新書) 2008年 末尾の一文で著者は占領期を「いまわ…
2022/12/06 神田文人「占領と民主主義 昭和の歴史8」(小学館文庫)-1 1988年の続き 民主主義といっても国によって形態はさまざま。日本を占領して統治する組織であるGHQはアメリカが創っていたので、その指令はアメリカの民主主義の影響を受けている。彼ら…
1952年から1960年。1982-83年にこの本を書いたというから、著者らにとっては昨日のできごとで、自分の体験が濃厚に記憶されている時期だ。歴史家はいかにして冷静さと公平さをたもつことができるか。 サンフランシスコ体制の発足 ・・・ 1952年4月講和発効。…
2022/12/02 芝垣和夫「講和から高度成長へ 昭和の歴史9」(小学館文庫)-1 1988年の続き 以後は社会世相。生まれる前の時代だが、文学やノンフィクションでこの時代をいろいろ調べて知っているので、感想は簡単に。 高度成長のスタート ・・・ 数年おきに好…