2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
2018/05/29 トーマス・クーン「科学革命の構造」(みすず書房)-1 1962年 通常科学と科学革命の説明のために、科学史のできごとが前置きなしで説明される。だいたいは高校教科書に載っている話(20世紀前半の物理学は大学の教養課程ででてくるものかな)。…
パラダイムを提唱した科学史、科学哲学の古典。パラダイムは1980年代にこの国で流行になった。その時期に自分はこの分野の本や論文をすこしかじった(とはいえ啓蒙や一般向けのものだけ。専門書はほとんど読んでいません)ので、以下の四半世紀ぶりの再読で…
高校時代に読んだのだが、どこかにいってしまったのを、ネットで公開されている翻訳で読み直す。 Chemical History of A Candle: Japanese 岩波文庫版には、実験器具や実験風景の挿絵があったと記憶するのだが、ここには載っていない。また、もともとは1847-…
タイトルの通り。 読書感想のエントリーが1000に到達 - odd_hatchの読書ノート 上の記事を見ると、1→1000に3年3か月かかり、1001→2000に4年2か月かかっていて、ペースが落ちている。 次の3000に行くかというと自信がない。5年後や6年後の自分を想像でき…
写真家・土門拳の仕事のなかから、子供を撮影したものを収録。1935年ころから1960年ころまで。 「下町のこどもたち」は1950年代前半の江東区や佃島、月島の子供たちを映す。「日本のこどもたち」は主に戦前に撮影した写真。カメラをもって下町にいくと、子供…
1986年に雑誌に連載したものを1987年に出版した。このころは景気がよくて、おしゃれな店ができて、新しい家電製品を買おうとし、テレビ番組が刺激的で、雑誌の新刊が楽しみだった時代だ。まあ、TOKYOが世界の最先端にあるとされていて、輝かしい電飾の下で若…
そうか「トマソン」のブームからもう30年が経過したのか。懐かしい、という思いになるのは、遅れてそれを知った自分でさえ、路上観察とか考現学とかその他の観察記録が書店に並べられていたのを記憶しているからに他ならない。なるほどバブル経済といわれた…
「櫻画報」は説明しずらいなあ。背景には1967-71年のこの国の政治の季節がある。大学構内と街中と路上に、常に人があふれ、デモや機動隊が衝突し、催涙ガスが漂い、暴力が日常的にあった時代だ。もともとは機動隊の側が暴力をふるったのがきっかけて、自衛の…
1970年のベストセラー。裏表紙によると100万部を超えたそうで(手元の奥付をみると、昭和45年1月30日初版で、昭和46年3月1日で358版とある。毎日印刷している計算になるな)、この冊数になったのは(当時)7冊目だそう。普段本を読まない両親がこの本を買っ…
昭和33年に週刊朝日に連載したものが単行本になり、文庫になった。教科書に書かれていない人との付き合い方を高校生向け(しかし著者はそのことに拘泥しない)に書いた。 個別には、納得できることが書いてある。時間を守れ、良き友人とつきあえ(でもほどほ…
トリュフォーは監督になるまえに映画雑誌の編集長をしたり映画評論を書いたりしていた。そのときからヒッチコックのファンで、何度もインタビューしていた。監督の名声が高まってから、ヒッチコックに長時間インタビューを申し込み、ヒッチコックが受諾した…
音楽を聴くとその時の感情の動きを誰かに話したくなる。でも、同じ音楽を聴く場にいても、必ずしも同じ感情を共有できるわけではない。同じ音楽を録音で聴いても、同じ感情が再現するわけではない。それでも、音楽を聴いた時の感情や知的関心などは語りたい…
西洋の音楽の通史を新書200ページ強で説明しようとする野心的な試み。専門家向けには数巻に及ぶような微に入り細を穿つ「音楽史」の叢書があるが、素人が通読するのは困難。そのうえ、「西洋」や「西洋音楽」をどこまで取るかで、範囲は膨大になる。ここでは…
玉木正之(1952年生)が指揮者・金聖響(1970年生)にインタビューして交響曲の魅力を語るという企画第2弾。 指揮者が自分の仕事を語るというのは、朝比奈隆「交響楽の世界」(早稲田出版)や岩城宏之「楽譜の風景」(岩波新書)があるが、ここでは彼らの2…
玉木正之(1952年生)が指揮者・金聖響(1970年生)にインタビューして交響曲の魅力を語るという企画第1弾。 ベートーヴェンの交響曲はクラシック音楽のアルファであり、オメガ。なので、個々の曲ごとに傾聴することにする。以下では気になる言葉をメモした…
西洋音楽がこの国で聞かれるようになってからわずか150年しか経過していない。明治維新以降のクラシック音楽受容の系譜は下記エントリーを参考に。 堀内敬三「音楽五十年史 上」(講談社学術文庫) 堀内敬三「音楽五十年史 下」(講談社学術文庫) 中島健蔵…