odd_hatchの読書ノート

エントリーは2600を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2021/9/25

広瀬正

広瀬正「タイムマシンのつくり方」(集英社文庫)

解説の筒井康隆によると、広瀬正は同人誌「宇宙塵」のメンバー。初期作はここに載り、早川書房の目に留まっていくつかを「SFマガジン」に載せた。でも編集長・福島正美のお眼鏡にはかなわず、しばらく沈黙する。1970年の「マイナス・ゼロ」が直木賞になって…

広瀬正「マイナス・ゼロ」(集英社文庫)

昭和20年5月。電気に詳しい14歳の少年は隣りの家にいるお姉さんにあこがれている。空襲のさなか、少年は偏屈な老人科学者と同居するお姉さんを助けに行くと、老人は倒れメモを残す。お姉さんはどこにもいない。それから18年後の1963年、32歳になった男はメモ…

広瀬正「ツィス」(集英社文庫)

神奈川県C市で突然ツィス(嬰ハ音、ドのシャープ、A=440Hzのときの557Hzの音)が聞こえだした。最初はかすかだった音は次第に大きくなっていった。発見者の精神科医はツィス分析器を作って、町中を計測し、世の中に警告する。騒音がひどくなると、人は精神失…

広瀬正「エロス」(集英社文庫)

昭和46年(1971年)、歌手生活37周年を記念して橘百合子がリサイタルを開くことになった。夕食を終えて自宅に帰る途中、盲目の高齢者と接触事故を起こしてしまう。片桐となのる老人は、橘百合子を名乗る前の赤井ゆり子のころからファンだった、盲目になる前…

広瀬正「鏡の国のアリス」(集英社文庫)

いつ書かれたか解説には書いていないし、wikiでもはっきりしないが、1970-72年にかけての作品。1972年に作者急逝(享年48歳)ののちに単行本化された。 鏡の国のアリス ・・・ 左利きのテナーサックスプレーヤーが銭湯でくつろいでいたら、女湯…

広瀬正「T型フォード殺人事件」(集英社文庫)

日本のSFを立ち上げたうちの一人。残念ながら1972年に急逝。享年42歳(だったかな)。存命であれば、小松・星・筒井・光瀬などと並べられたはずの作家、との由。この人の得意な時間パラドックスSFは厚いのでパスすることにし、晩年の表題作を読む。き…