odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

ハンナ・アーレント

矢野久美子「ハンナ・アーレント」(中公新書) 「戦争の世紀を生きた政治哲学者」の評伝。入門に適している。

「革命について」(ちくま学芸文庫)に震撼させられたので、ハンナ・アーレントの評伝を読む。振り返ると、自分がもっとも哲学に関心を持っていたのは1980年代だったが、当時アーレントの話題はほとんどなかった。「イェルサレムのアイヒマン」に出てく…

川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-1 『全体主義の起源』を読む。全体主義は19世紀の国民国家と資本主義の流れで生まれてくる

ハンナ・アーレントの解説本を読む。1998年に出たのを2014年に文庫化。アーレントの本は分厚く、晦渋な文体なので読むのに苦労する(その甲斐はある)。専門家が読んでまとめたものを利用させていただきます。 プロローグ ・・・ 生涯は矢野久美子「ハンナ・…

川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-2 『全体主義の起源』を読む。国民国家の解体は人権の終わりと見捨てられた人々を生んだ。そして全体主義の残虐となる。

2021/12/03 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-1 2014年 第2章は20世紀。国民国家の理念である民族自決権を実施すると、ネーションのほうが国家よりも強くなる。それ以降の分析は以下のサマリーを参照。俺にとって重要なのは、100年以上前の分析…

川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-3 「革命について」を読む。1950年まではアメリカ(とイギリス)が全体主義にならなかったのはなぜか。

2021/12/03 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-1 2014年2021/12/02 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-2 2014年 アーレントはナチスを逃れてアメリカに移住する。永住権を得て、アメリカの大学で教鞭をとるなど、後半生の仕事はアメ…

川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-4 「人間の条件」を読む。労働・仕事・活動、個・公共性・共同性。

2021/12/03 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-1 2014年2021/12/02 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-2 2014年2021/11/30 川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)-3 2014年 第4章は「人間の条件」を読む。これまでに登場し…

牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-1

川崎修「ハンナ・アレント」(講談社学術文庫)による「全体主義の起源」の要約がとても知的興奮をもたらしたので、別の人による解説書を読む。 序 章 アレントと『全体主義の起源』 ・・・ アレントのいう「全体主義」はファシズムと共産主義を包括する概念…

牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-2

2021/11/26 牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-1 2015年の続き ここからは20世紀にはいってからの記述。 第三章 帝国主義と国民国家体制の崩壊――『全体主義の起源』第二部「帝国主義」(承前) ・・・ 帝国主義を海洋型(イギ…

牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-3

2021/11/26 牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-1 2015年2021/11/25 牧野雅彦「精読アレント「全体主義の起源」」(講談社選書メチエ)-2 2015年 WW2の終結によって、巨大な全体主義は潰えた(ということにしておく)。では全…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味

個別にフランス革命やロシア革命、その他の革命(日本の明治維新を加える)に関する本を読んできた野で、近代の革命の統一イメージを得るためにハンナ・アーレントの本を読む。革命はどうしてもマルクス主義からの記述で読むことになるが、それとはことなる…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第2章社会問題

2021/11/16 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味 1963年 第二章 社会問題1.フランス革命は貧困(からの解放)を政治的目的にした。それは民衆・大衆からの要望・つきあげ。指導者たちの「人間的な自由」の達成は政治目…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第3章幸福の追求、第4章創設(1)自由の構成

2021/11/16 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味 1963年2021/11/15 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第2章社会問題 1963年 第三章 幸福の追求 ここでは公的自由について論じられる。自由にはいくつ…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第4章創設(1)自由の構成(続き)、第5章創設(2)時代の新秩序

2021/11/16 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味 1963年2021/11/15 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第2章社会問題 1963年2021/11/12 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第3章…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第6章革命的伝統とその失われた宝-1

2021/11/16 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味 1963年2021/11/15 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第2章社会問題 1963年2021/11/12 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第3章…

ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第6章革命的伝統とその失われた宝-2

2021/11/16 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第1章革命の意味 1963年2021/11/15 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第2章社会問題 1963年2021/11/12 ハンナ・アーレント「革命について」(ちくま学芸文庫)-第3章…