科学史
ルネサンスを古典学術・芸術の復興としてみると、教科書では14世紀イタリアのできごとに注目してしまう。それは19世紀ヨーロッパの歴史家が言い出したことがいまだに継承している証。しかし、ルネサンスを文明移転としてみよう。すると、ヨーロッパとオリエ…
12世紀ルネサンスのあとの15世紀ルネサンス。中心はイタリア。通常は人文学や美術の成果をみたり、中世都市とは異なる商業都市に注目する。でも著者はこの時期のイタリア思想、なかでも神秘思想に傾倒する。 神秘主義や異端思想に傾倒する人は「木を見て森を…
占星術が生まれたのはバビロニアの時代で、紀元前2000年にはもうあったとされる。それから近世まで占星術は合理的で論理的な学問であり、未来予測に有効であるとされてきた。しかし、近代になってからは、占星術は疑似科学とみなされる。いつごろそう考えら…
著者の考えでは、人が天を見るようになったのは食糧調達に余裕ができてから。次第に天のできごとが社会と人の運命を支配していると考えるようになり、未来予測のために天を観察し続けた。観察記録が整備され、暦が作られ、未来予測の占星術になる。大形の人…
ニコラウス・コペルニクスの「天球回転論」と彼の弟子が書いた解説が新訳で出ていたので読む。訳者による解説によると、コペルニクスは「地球が動いている」ことを観察データと理論から確信していた。ルターの宗教改革とカソリックの対抗が起きていたので、…
コペルニクスの「天球回転論」を読んだので、現代から見たコペルニクスを知るために本書を購入。後で知ったが、著者はコペルニクス「天球回転論」(講談社学術文庫)の訳者(別書で全訳もしている)だった。 科学書の古典を読むときの注意点は、現在の視点(…
覗き眼鏡(望遠鏡)が発明された。新し物好きのガリレイはさっそく入手し、さらに改良を加えた。たぶん覗き眼鏡は地上の対象を観察するためで、軍用になったのだろうと妄想するが、ガリレイはなんと夜空に向けた。月と天の川と木星を観察し、無数のスケッチ…
ガリレオは高校物理の早い時期に彼の仕事を知ることになるが、それよりも晩年になってローマ教会の宗教裁判にかけられ、きつい審理を経て有罪判決を受けた後に、「それでも地球は動いている」とつぶやいたことで知られている。教会のドグマの押し付けに対し…
生物学を勉強すると、進化論を誤解したものいいが気になる。パターンをまとめると、「進化(進歩)せよ」、「生存闘争と適者生存」、「ダーウィンかく語りき」。いずれもダーウィンや生物学の主張とは異なる。でも人口に膾炙している(安倍晋三政権下の自民…
2025/12/23 千葉聡「ダーウィンの呪い」(講談社現代新書)-1 ダーウィンが「種の起源」を出版する以前から西洋人は種の変化、人間の進歩を信じていた。 2023年の続き 後半は優性思想について。ダーウィンの「種の起源」がでてから、人間の能力強化と道徳性…
ヨーロッパは歴史と世界をどのようにみてきたのか。世界をどこまでの範囲にしているかで歴史の記述は変わる。歴史の長さをどこまでとるかで世界の広がりも変わる。そこで、ヨーロッパの歴史書と歴史哲学を古代から近代まで見通してみる。 問題意識はそこにあ…
岡崎勝世「聖書vs世界史」(講談社現代新書)がとても面白かった。ヨーロッパの歴史記述は聖書の記述に基づいて書かれた普遍史から、科学の知見に依拠した世界史に代わっていった。その過程を実際に書かれた本を読んで記述する。これは西洋哲学史にも科学史…
DNAの構造解析が生物学のホットトピックだった1940~1950年代前半にかけての記録。著者はDNAの構造模型を提唱して、1962年にノーベル賞を受賞した。この研究に従事していたのは22~25歳にかけてのこと。なんとも早熟で、鼻っ柱が強く、傍若無人で怖いもの知…
科学の専門教育に挫折した時、学生の残り時間で科学論を独習した。村上陽一郎や柴谷篤弘、トーマス・クーンなどの読書感想エントリーがあるのはそのなごり。しばらく離れていたので、数十年ぶりに科学論を読む。なお、科学論と科学哲学は重なるところが多い…
2025/10/15 佐々木力「科学論入門」(岩波新書)-1 古典科学、17世紀の科学革命、フランス革命以後の科学でみる科学の特性と発展 1996年の続き 続いて後半。テクノロジーが主題になる。 第3章 技術とはなにか、それは科学とどう関係するか? ・・・ 日本で…
普遍史(ユニバーサル・ヒストリー)は聖書の記述に基づいて書かれた世界史。普遍史がかかれるようになったのは、古代ローマ時代で異教とされていたころ。キリスト教護教のために正当性を明かすために書かれた。以後、さまざまな教父が普遍史を記述してきた…
ラマルクの「動物哲学」が電子書籍で入手できると喜んで購入したら、実は邦訳者による解説でした。もとは「岩波書店刊行 大思想文庫23」に収録とのことだが、いつの出版かKINDLEには記載がない。文庫版の「動物哲学」が出たのは1954年。ネットにでてきた「…
もとは1998年にでた単行本。トーマス・クーン(1922年7月18日 - 1996年6月17日)の翻訳は過去に二冊、できるだけ詳しく読んでみた。2013/02/13 トーマス・クーン「コペルニクス革命」(講談社学術文庫)-12013/02/12 トーマス・クーン「コペルニクス革命」(…
漱石を読み返している最中(2021年3月現在)。漱石の「文学」の解説は読む気はないが(読むと引っ張られるので参考にしないし、これまでの読みとは違うところで読んでいるので参考にならないし)、物理学なら参考になるかもとタイトルにひかれて購入。著者は…
自分の進化論の知識は1980年までで途絶えている(そのあとに紹介されたビッグネーム、たとえばドーキンス、グールド、ウィルソンなどを読んでいない)ので、手ごろな新書で補完することにする。著者・佐倉統はたとえば別冊宝島「進化論で愉しむ本」で名前は…
ダーウィン「種の起源」1858年を読むのは35年ぶり、二回目。前回は長い長い記述にへこたれて、文字を目でトレースしただけだった。ダーウィンの考えはほとんど読み取れなかった。でも、進化論や科学史に興味があったので、そのあと今日までに、多数の進化論…
2020/05/29 チャールズ・ダーウィン「種の起源 上」(光文社古典新訳文庫)-1 1858年 リンネ、キュヴィエ、ビュフォン、ラマルクらの18世紀の博物学者やナチュラリストと、彼らより50年後のダーウィンの違いは、生物の知識が圧倒的に増大、地質学その他の他…
2020/05/29 チャールズ・ダーウィン「種の起源 上」(光文社古典新訳文庫)-1 1858年2020/05/28 チャールズ・ダーウィン「種の起源 上」(光文社古典新訳文庫)-2 1858年 上巻はダーウィンの考えの理論編。下巻(と上巻の一部)は自然淘汰説に対する難題への…
2020/05/29 チャールズ・ダーウィン「種の起源 上」(光文社古典新訳文庫)-1 1858年2020/05/28 チャールズ・ダーウィン「種の起源 上」(光文社古典新訳文庫)-2 1858年2020/05/26 チャールズ・ダーウィン「種の起源 下」(光文社古典新訳文庫)-1 1858年 …
2018/05/29 トーマス・クーン「科学革命の構造」(みすず書房)-1 1962年 2018/05/31 トーマス・クーン「科学革命の構造」(みすず書房)-2 1962年 「科学革命の構造」上梓(1962年)した後、さまざまな批判が出たので、その整理と著者の意見を披露する。訳…
2018/05/29 トーマス・クーン「科学革命の構造」(みすず書房)-1 1962年 通常科学と科学革命の説明のために、科学史のできごとが前置きなしで説明される。だいたいは高校教科書に載っている話(20世紀前半の物理学は大学の教養課程ででてくるものかな)。…
パラダイムを提唱した科学史、科学哲学の古典。パラダイムは1980年代にこの国で流行になった。その時期に自分はこの分野の本や論文をすこしかじった(とはいえ啓蒙や一般向けのものだけ。専門書はほとんど読んでいません)ので、以下の四半世紀ぶりの再読で…
高校時代に読んだのだが、どこかにいってしまったのを、ネットで公開されている翻訳で読み直す。 Chemical History of A Candle: Japanese 岩波文庫版には、実験器具や実験風景の挿絵があったと記憶するのだが、ここには載っていない。また、もともとは1847-…
2013/02/20 レオナルド・ダ・ヴィンチ「手記 1」(岩波文庫) 2013/02/14 コペルニクス「天体の回転について」(岩波文庫) 2013/02/15 ブレーズ・パスカル「科学論文集」(岩波文庫) 2016/09/21 エマニュエル・スウェデンボルグ「霊界からの手記」(リュ…
吉田光邦「日本科学史」(講談社学術文庫)でもいったように、厳密に言えば、「科学」の方法と思想はヨーロッパ由来のもの。なので、中国の科学史は19世紀半ばの洋務運動あたりから始まるといえるかも。いや、むしろ1949年の人民共和国建国以降にしてもよい…