音楽_演奏家
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (長いのでDFDと略すのが慣例。ここでもそうします)は一度聞いた。 odd-hatch.hatenablog.jp 彼を通じてフルトヴェングラーを見た思いがしたが、本書はDFDによるフルトヴェングラーの思い出。自身のキャリアアッ…
1933年から1945年までの欧米のクラシック音楽関係者の動向を描く。思入れはなく、淡々と事実を記すだけ。スター総出演の観がする記述であるが、そのなかではトスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラー、カラヤン(生年順)が主役になる。脇を固めるのはシ…
先にでている中川右介「カラヤンとフルトヴェングラー」(幻冬舎新書)の続きとみなせるが、著者によると独立して読めるという。 odd-hatch.hatenablog.jp 本書ではヘルベルト・フォン・カラヤンの演奏や録音について一切批評しない。その種の論評はたくさん…
中川右介「カラヤンとフルトヴェングラー」(幻冬舎新書)では、1930-55年までのヨーロッパを描いた。その時のテーマはナチズムとの関わりを軸にしたカリスマ指揮者たちの暗闘。 本書はWW2の終わりからソ連の崩壊まで。ここではソ連型監視統制社会における…
聴衆である自分は、ピアニストをステージか録音メディアでしか知らない。そうすると、ピアニストから見えてくるものはそのときどきの演奏とそこに込めたイメージ。では、ピアニストがどのような準備をし、どのような葛藤をへてステージや録音スタジオに来た…
カール・ベームは1894年オーストリアのグラーツに生まれた指揮者。この国には、1963、1975、1977、1980年に来て、ベルリン・ドイツ・オペラやウィーン・フィルと演奏し、いくつも名演を残した。CDやDVDで確認できる。自分は完全出遅れで、1980年の演奏をTVで…
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, 1880年9月27日 - 1953年9月1日)はこの国の西洋音楽愛好家に愛された。クライスラー、フーベルマンが巨匠とすると、この人は洒脱なエスプリ。近代フランスの作品、それにカザルス、コルトーと組んだトリオによる三重奏…
生松敬三「二十世紀思想渉猟」(岩波現代文庫)ではジンメル経由で触れられる指揮者オットー・クレンペラーの証言をこちらで読む。 生涯を略述すると、1885年ドイツ生まれのユダヤ人オットー・クレンペラーは歌劇場の手伝いからキャリアを開始。マーラー、シ…
アルフレッド・ドニ・コルトー(1877年9月26日〜1962年6月15日)の書いたショパンの論集。7つの小論がまとめられていて、それぞれがいつ書かれたものかは不明。コルトーは、ショパンの録音(前奏曲と練習曲の全曲が有名)を残している。戦前のショパン弾きの…
ロストロポーヴィチとヴィシネフスカヤの夫妻のインタビュー。はっきりかいていないが、1978-81年にかけて行われた複数のインタビュ―のまとめと思う。1983年初出で、翻訳は1987年。これらの年は重要なので、あとで振り返る。 ロストロポーヴィチは1927年アゼ…
神田にカザルス・ホールと呼ばれる演奏会場ができたほど人気のあるチェロ奏者。今はどれほどの人気になっているのかしら。この人は1877年(明治だと10年になるのかな)の生まれ。1970年にも存命で、プエルト・リコに住んでいるところに(孫ほどの年齢の女性と…
一時期絶版だったけれども、新装版にかえて流通しているらしい。慶賀のいたり。感想をエントリーにしたことがあるけど、再読したので、もう一度感想をまとめておく。 ・フランコ政権樹立後、スペイン国境に近いプラドの村にカザルスは隠遁していた。そこにア…
作者は1886年生まれのドイツのピアニスト。主要レパートリーは、ドイツの作曲家。戦中はドイツに在住し、フルトヴェングラーと共演している。1960年に死去。多くの録音が残っていて、下記のサイトでダウンロードできる。 クラシック音楽mp3無料ダウンロード …
クラシック音楽を聴き始めたのが1979年5月。何も知らないままに聞き出し、半年後にはフルトヴェングラーの名を知っていた。その演奏を聴く機会はほとんどなかったが。そして突発的にこの文庫が発売された。さっそく読んでみたが、当時の学力では無理だった。…
クラシックの世界にもヒエラルキーがある。大きな歌劇場やオーケストラの責任ある地位についていたり、メジャーレーベルのレコード会社から定期的にCDや映像を販売できるような人たちがヒエラルキーの最上位にいることになる。これらの人はメディアでよく…
世界をステージに駈ける諏訪内晶子は3歳からヴァイオリンを始めた。18歳のとき、最年少でチャイコフスキー国際コンクールで優勝、さらなるヴァイオリンの音を求めて、ニューヨークへ留学。ジュリアード音楽院本科・修士課程卒業、コロンビア大学、国立ベ…
まだクラシック音楽に興味のなかった1977年にマリア・カラスが亡くなったというニュースを聞いた(没したのは9月16日とのこと)。その直後に、彼女の歌う映像が流され、そのカルメンのパフォーマンス(たぶんハンブルグコンサートにおける「ハバネラ」)に圧…
カザルスというチェロの大家には面白い逸話がたくさんある。生まれたのはカタルニア地方の貧しい家。音楽に理解のある両親(特に母親)に支援されて、若いときから高名なチェリストについて研鑽する。そのときの練習の激しさというのはたいしたものだったら…
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(DFD)を実演で聞いたのは一度だけ。NHK定期公演に指揮者サバリッシュとともに現れ、ブラームス「ドイツ・レクイエム」を歌った。いつかその感想をエントリにアップするかもしれない。 若いときからの才人…