odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

レイモンド・チャンドラー

レイモンド・チャンドラー INDEX

2016/05/28 レイモンド・チャンドラー「傑作集 2」(創元推理文庫) 2016/05/27 レイモンド・チャンドラー「大いなる眠り」(創元推理文庫) 1939 年 2016/05/26 レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」(ハヤカワ文庫) 1940年 2016/05/25 レイモン…

レイモンド・チャンドラー「傑作集 2」(創元推理文庫) 「簡単な殺人法」でチャンドラーはリアリズムのない探偵小説に苦言を呈する。でもチャンドラーのリアリズムは1970年代から通用しなくなる。

チャンドラーの短編集を数年かけて3冊読んだので、まとめて感想を書いておこう。この作家とは相性がよくないので、作品ごとのサマリーは省略。長編はストーリーが緩いのだが、中短編はすっきりしたストーリーでわかりやすい。 傑作集1 脅迫者は射たない 赤…

レイモンド・チャンドラー「大いなる眠り」(創元推理文庫) スターンウッド将軍54歳をもっと書けば家族の問題が浮き彫りになったのになあ...

すでに3回読み、そのうえホークス監督ボガード主演の「3つ数えろ」1944年、ミッチャム主演の「大いなる眠り」1978年を見てきたのだが、いまだにストーリーがわからない。チャンドラーの短編を見ると冒頭がそっくりのものがあるので、たぶん複数の短編を合体…

レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」(ハヤカワ文庫) 黒人専用のバーで暴力をふるう大鹿マロイには同情も共感も持てない。

ギリシャ人の行方を捜していたマーロウは町で巨大な男と出会う。昔、バーで歌っていたヴェルマを探しているという大鹿(ムース)マロイは、マーロウを引き連れて黒人のバーに行き大暴れの末、行方をくらましてしまう。マロイが気になるので、代わりにヴェル…

レイモンド・チャンドラー「湖中の女」(ハヤカワ文庫)

フィリップ・マーロウは化粧品会社社長キングズリーの依頼で一か月前に疾走した妻クリスタルの行くを探していた。ここでも中年の男が若い奔放な妻を満足させることができないと言うのが、最初の問題。妻は山間にある別荘に住んでいて、情夫を囲っていたり、…

レイモンド・チャンドラー「かわいい女」(創元推理文庫)

兄の行方を捜してほしいと、かわいい娘が依頼してきた。電話で断った(この会話が絶妙のうまさ)あと、娘は事務所にきて、20ドル札をおいていく。まずは娘の兄オリンの住むアパートに行くと、麻薬中毒らしい管理人に邪見にされ、隣室の男に話を聞くとオリン…

レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」(ハヤカワ文庫) 正義や悪の問題にふれないマーロウは快不快で行動するので、感情移入や共感もできない。

21世紀になって別の訳者による翻訳がでたが、自分には懐かしさもあるので、清水俊二訳を読む。こちらは全訳ではなく、一部省略された抄訳だとのこと。 マーロウはバーで酔っ払いのテリー・レノックスと出会う。見捨てておけなくて世話をしてやったら、奥さん…