2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧
『ご冗談でしょう,ファインマンさん』につづく痛快エッセイ集.好奇心たっぷりのファインマンさんがひきおこす騒動の数々に加え,人格形成に少なからぬ影響を与えた父親と早逝した妻についての文章,そしてチャレンジャー号事故調査委員会のメンバーとして…
メシを食いながらでも本を読みたい。ipadは便利なのだが、そのままでは立てることができない。カバーもたいていは横置きに対応していて、縦置きにならない。そろそろ視力の衰えた自分としては、縦置きにして文庫本が2倍くらいに拡大されているほうがよい。 …
後にはノーベル賞を受賞し、1980年代のスペースシャトル爆発事故の調査委員会の委員長を務めるなど、学問の枠には収まらない奔放な生き方が魅力的な人だった。多芸多趣味な人らしく、自伝を書くことには興味を持たなかったようだが、ボンゴを鳴らすことで知…
学者一家に生まれた凡庸な(と自己評価している)子供が物理学に興味を持ち、中間子理論を発見する27歳までの自伝。これを書いた時著者は51歳で、兄弟の学者一家(貝塚茂樹や小川琢治など)が存命であったので、彼らのことはあまり触れられていない。日本で…
あの「ビューテュフル・ドリーマー」の、「パトレイバー」の、「天使のたまご」の、「ケルベロス」の監督をした押井守氏の小説作品である。吸血鬼を扱った小説は欧米でひとつのジャンルになるほど書かれている。数は少ないが(あるいは知らないだけであろう…
もとは野生時代に連載され、直後に角川ノヴェルスで単行本化。その後角川文庫になり、今世紀になって講談社文庫に収録された。ノヴェルス版ではイラストは生頼範義氏だったが、講談社文庫になるとキャラクターを昨今の美少女アニメ風のイラストで紹介してい…
あなたは炎の竜に君臨する王者――謎の女の言葉はいったい何を意味するのか。呪われた地を封印するべく信州山深く籠っていた竜王翔は、虐殺と地獄絵さながらのカンボジアに潜入。密林の中で翔と<金色の目の男(レジュー・ドール)>との超能力が激突する。未…
北方四島近海で漁船が拿捕される。当時、ソ連の漁船を対象にしたテロ攻撃が頻繁にあったからだ。その漁船からは武器弾薬などが発見されスパイ容疑がかけられ乗組員は収容所に収監される。それから5年、国後島の収容所を脱走した間島勲は己の無実を証し、彼を…
火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。現場には赤い薔薇と血の署名――映画女優を夢みるシルヴィーを皮切りに、連続切断魔の蛮行がパリ市街を席捲する。酷似した犯行状況にひきかえ、被害者間に接点を見出しかねて行き詰まる捜査当局………
灼熱の太陽に疲弊したパリで見えざる敵に狙撃されたカケルを気遣い、南仏へ同行したナディアは、友人の一家を襲う事件を目の当たりにする。中世異端カタリ派の聖地を舞台に、ヨハネ黙示録を主題とする殺人が4度繰り返され……。2度殺された屍体、見立て、古城…
熾天使というのは旧約聖書その他に登場する天使の最上位にあるもの。単数でセラフ、複数でセラフィムと呼ばれる。我々は、英EMIのクラシック音楽の廉価レーベル「セラフィム」や映画「マトリックス」の登場人物「セラフ」でなじみがある(かな)。作中では「…
アパルトマンの一室で、外出用の服を身に着け、血の池の中央にうつぶせに横たわっていた女の死体には、あるべき場所に首がなかった! ラルース家を巡り連続して起こる殺人事件。警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件…
「一番以外はビリと同じ」――日本電産・永守社長の強いリーダーシップのもと勝ち続ける秘密は何か? 倒産寸前の三協精機を従業員の意識改革によりわずか半年で再生させたドラマを再現、「永守流経営」の真髄を描く。 2007-8年ころ、永守社長はメディアによく…
バブル崩壊後,不良債権処理とともに日本経済のなかで大きな位置を占めるようになった事業再生.そもそも事業再生とは何を目的とし,どのようにして実現するのか.注目を集めるM&Aなどの手法,各種ファンドなどのプレイヤー,この数年で抜本的改正を遂げた…
文庫書き下ろし。銀行の不良債権処理について、当初の予定よりも遅れが出ていることが問題になった2000年前後の事例で、中小企業の債務支払いを取り上げている。 1990年の直前、日本の土地・建物などの固定資産の評価額が非常に高まった。株価も高くなり、金…
人間疎外が深刻化した1934年のフランス。ヴェイユは工場にはいった―冷酷な必然の定めに服し。抑圧と隷属の世界、悲惨な労働者の側に身を置き、屈辱に耐えつつ激しい宿痾の頭痛と限りない疲労の中で克明に綴られた日記は、底辺からの叫びであり魂の呻きに似た…
企業や組合の私的経営をいかに超克して、民主経営にするかという議論。通常、企業の経営は出資者がオーナーになり、業務の責任者を集めて経営陣という組織を作る。ときに、出資者が経営に参加しないで、経営責任者を別に調達してくることもある。この組織で…
ここではおまけのように書かれているSPの保管方法について紹介。ここに書かれている分類と整理の方法を会得すると、他に応用が利くから。これを参考に自分は蔵書の並べ方を検討し、管理ファイルを作成した。その経験は実は、ビジネスの現場、というよりバッ…
これまで企業は従業員のために福祉活動を行ってきた。たとえば、法定福利費による福祉費用の負担であり、退職金の支給であり、福利厚生費による住宅・健康・保養所・食事などの負担である。2015/04/16 入江徳郎「泣虫記者」(春陽文庫) 昨今の不況で、法定…
仕事柄百人以上を面接してきたが、満足した人材を採用したことがない。それは、自分に限ったことではなく、マイクロソフトでも同じらしい。面白いのは、ビル・ゲイツ以下のメンバーは面接でパズルを質問して、その返事を聞いて採用を決めるらしい。しかも、そ…
まとめと自分の感想をごっちゃに。 ・法人の定義について、名目説と実在説の2つがある。前者は会社の株主主権論の根拠になっている。 ・しかし、法人には、モノがヒトを管理する状態とヒトがモノを管理する状態が同時にあって、単純に名目か実在かに二分さ…
日本企業の病はここにある! リストラで人も給料も減らされたのに、上からは改革の掛け声ばかり。残業を重ねて社員は必死に働くのに、会社は赤字。社内には不信感が渦巻き、口ばかりの評論家が氾濫。こんな日本では普通の会社を本当に蘇らせた「風土・体質革…
年俸制や業績給、専門職制や契約雇用制等の導入により、日本型雇用システムは「市場指向型」「流動型」へと本当に変化していくのか。 著者は、アメリカ、ドイツのモデルとの比較を通して、日本独自の能力主義である職能システムを核とする日本型システムは、…
新刊書店であろうが、中古本屋に行こうが、「起業」に関する本は大量に出ている。いいかげんに分類すれば 1.起業して成功した人が過去を振り返る回想本 2.スケジューリングや法律など起業の手続の解説本 ということになる。1を読むとファイトは湧くがノ…
経済再生のカギを握るベンチャー。そこに働く人々はいったい何を思い、どのように仕事をしているのか。また、会社は彼らの「やる気」をどう引き出そうとしているのか。これまでイメージだけで語られがちだったベンチャーの実態を検証すると、先進的な側面と…
あまりビジネス本は読まない。社内の経営会議とか取締役会の経験のほうが身につくことになったから。でもいくつかたまってきたので、しばらく取り上げることにする。 最初期のコンピューターオタクが、顧客の仕様に合わせたPCを販売することを思いつき、19…
「永遠の女囚」新青年 1938.11.木々高太郎 ・・・ 田舎の素封家・雲井家。久衛門には別腹の姉妹がいる。姉が婿を取ってあとを継ぐところを、妹の婿に継がせることにした。この妹、たいしたモガで、結婚式を逃げ出すわ、駆け落ちして一週間でかえるわとやり立…
1977年に角川文庫で雑誌「新青年」で発表された短編を集めたアンソロジーが5巻発行された。赤い背表紙で5冊並んでいる姿にあこがれたなあ。すぐさま絶版になり、1990年以降は古本屋で高値をつけていた。そのうちの3冊が2000年に復刻された。しかしすでにこ…
パリ市中を震撼させたペルチエ街の惨劇。銀行家モントレイユが胸を抉られ瀕死の重傷を…。ゲエリニエール伯を告発するが対質したとたん供述を翻し、事切れた。悲嘆にくれる兄弟は父の変説の謎を追う。名探偵ポーランは血で記されたZの文字を発見、神出鬼没の…
清風荘事件 ・・・ 牛込の「清風荘」と名づけられたアパート(今でこそ安い共同住宅の意味になっているが、当時は欧米風の最先端モードだった)。そこに住むK大学出身の若い男性二人。一人は志操堅固な堅物で、もう一人は青春を謳歌するモボ。女性をめぐる…