odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

武満徹

武満徹/川田順造「音・ことば・人間」(岩波同時代ライブラリー) 昭和一桁生まれはすでに西洋音楽が染みついていて、それ以外の音楽は異質に聞こえる。日本の伝統音楽でさえも。

武満徹は作曲家、1930年生まれ。川田順造氏は文化人類学者で1934年生まれ。二人が1978年から翌年にかけて雑誌「世界」に往復書簡を公開した。それをまとめたのがこの本(1980年)で、文庫版の出たのは1992年。二人とも40代で、とても行動的。武満は世界各地…

蓮實重彦/武満徹「シネマの快楽」(河出文庫) 年間150-300本の映画を見ることを数十年続けた二人の対談。傾聴するばかり。

1980年代(83-86年)に雑誌「海」やシネ・ヴィアンのパンフレットに載せた二人の対談。何しろ年間150-300本の映画を見ることを数十年続けた二人なので、傾聴するばかり。映像と音の誘惑 ・・・ 映画に関係する人が映画をみない、映画人が昔の映画(とその関…

大江健三郎/武満徹「オペラをつくる」(岩波新書) オペラを趣味でよく聞く大江がオペラ作曲のオファーをうけた武満の相談にのる。

武満徹は1930年生まれの作曲家。さまざまな分野の作品をつくってきたが、未制作なのは交響曲とオペラ。50代なかばになってちゃんときいてみたら、オペラに興味がでてきた。でも、どんなオペラがつくられるべきなのかわからない。 大江健三郎は1935年生まれの…

武満徹/小澤征爾「音楽」(新潮文庫) リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」第4部「英雄の業績」の1。世界に追いつき、追い越せたとき、その先のヴィジョンがない昭和一桁世代の典型。

1979年から1980年にかけての3回の対談を収録。このとき、武満徹50歳(1930年生まれ)、小澤征爾45歳(1935年生まれ)ともっとも精力的に活動していた時期。ふたりとも、かつて(20代前半)は徹夜でいろいろ話をしたことがあるけど、この頃は忙しくてねえと嘆…

小沼純一「武満徹 その音楽地図」(PHP新書) 没後10年目に書かれた入門ガイド。尖った前衛も慈しむ古典になった。

以下は2005/03/21に書いたもの。 花粉症のもっとも症状の重い数日間になり(毎年3/4に最初の症状が出て、春分の日にピークになる。4/4には症状がなくなる)、鼻炎薬を服薬しているので頭がぼうっとしていて(鼻炎薬は血管収縮作用をもたらす成分を含んでいる…