河出文庫「世界の歴史」
2016/03/16 今西錦司「世界の歴史01 人類の誕生」(河出文庫) 2016/03/25 岸本通夫/伴康哉/富村伝「世界の歴史02 古代オリエント」(河出文庫) 2012/04/20 貝塚茂樹「世界の歴史03 中国のあけぼの」(河出文庫) 2016/03/28 村田数之亮/衣笠茂「世界の歴史…
18世紀末から中華人民共和国の成立(1949年)まで。宋の時代に近代の一歩手前までいったのに、元や明の時代に政治や経済が古代から中世まで戻ってしまった。清になっても封建制はそのまま。それでも清は経済発展する。主な理由は耕作地の拡大。多少は農機具…
ここでは元の末期から清の最盛期まで。1350年から1800年ころまでか。このころになると、「中国」「中華」の範囲が広がって、「西域」とされる高山地帯や砂漠なども含まれるようになる。ことに元や清のような漢民族でない民族が政権をとるようになると、それ…
ここでは唐の末期から元の末期まで。900年から1300年ころまで。高校教科書にあるように元王朝は「匈奴」と呼ばれる西方民族の支配になるので、その前後の西域の歴史も記述される。自分は西域にはあまり興味を持てないので、以下のまとめと感想では主に中国の…
「西域」はとてもあいまいな地理や歴史の概念のよう。とりあえず21世紀初頭の世界地図で言うと、モンゴル、中国西部(新疆ウィグル自治区、チベット)、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニキスタンあたり。…
ここでは漢の滅亡ころ(三国時代の開始)から五代時代(唐の滅亡)ころまでの、西暦200年から1000年ころまでを扱う。著者によると、これが中国の中世に相当するという。ヨーロッパの中世が500年ころ、この国の中世が1200年ころから開始したとすると、この古…
東南アジアは近いのに、この国の人からは等閑視されている。観光やビジネスで行くことはあっても、文化を知るまでにはなかなかいかない。1941-45年のこの国による占領とその影響は忘れられつつある(なにしろ、日本の帝国主義的植民地化を「アジアの解放」と…
トルコ、イラン、インドの中世と近代史。もうしわけないが、この場所と時代に関する興味をもっていないので、どうにもつらい読書。なにしろ、それぞれの地域には巨大帝国があったとはいえ、宮廷内の内紛とクーデター、王朝の交代ばかり。個々の皇帝の個性や…
土地と歴史に勘が働かない上、現在のインドをよく知らないので、おざなりな感想になることを事前報告。 この文明の成立した一帯は海からも陸からも行くのが便利な交通の要地であった。農業生産よりも貿易の拠点として、人と物と富が集積した場所のよう。紀元…
前の巻の「第2次世界大戦」の記述は1953年の朝鮮戦争終結までを記載した(まえがきによる。自分は23巻は未読)。第2次世界大戦を1953年まで拡大する見方は刺激的で、事態をはっきりさせる区分だと思った。すなわちこの国では戦中と戦後を昭和20年1945年8月…
2018/03/08 中山治一「世界の歴史21 帝国主義の開幕」(河出文庫)-1 安定と均衡の19世紀末。その均衡を破るのは、ふたつの周縁。ひとつはヨーロッパという地域の周縁で外部とつながっているところ。すなわちバルカン半島。強大国トルコの衰勢で、この地域の…
岩間徹「世界の歴史16 ヨーロッパの栄光」(河出文庫)に続く「長すぎる19世紀」の後半。1870年ころから1921年のワシントン会議まで。19世紀が終わるにあたり、ロシア革命という重要なイベントがあったが、それは松田道雄「世界の歴史22 ロシアの革命」(河…
フランス革命で開幕した長いヨーロッパの19世紀をこの本でさらに圧縮しすると、18世紀までの絶対王政がブルジョア・市民などの新しい階層の人々によって民族主義と自由主義の国家に変化していく過程であるといえる。ナポレオンのあと王政、帝政へのバックラ…
2018/03/02 河野健二「世界の歴史15 フランス革命」(河出文庫)-1 (以下は若書き。かっこ内が再読時の補足) まとめでパトリオティズムとナショナリズムの違いを説明している。前者は郷土や地縁などに根ざした感情に由来するもので、後者は国家(国民=ネ…
本書のテーマはタイトル通りであって、1789年から1815年までを扱う。この前の今井宏「世界の歴史13 絶対君主の時代」(河出文庫)が1700年ころで記述を終えているので、約90年の間にヨーロッパで何が起きたかはこの叢書でははっきりしない。 わずかながら記…
だいたい1550年から1750年までのヨーロッパを扱う。自分はクラシックオタクなので、この時代はバロック音楽であるからとても興味があるのに、読書はぜんぜんスイングしない。政治史に集中して、王様と反逆者の名前がでてくることと、各国史になってこの時代…
中南米文学を読んでいながら、ラテンアメリカの歴史を知らないのに気付いて、手軽な通史を読むことにする。 アメリカの歴史は15世紀の西洋による「発見」以降として書かれないのは不幸で、不当なこと。マヤ文明やインカ帝国の長い豊かな歴史があるはずなのに…
2016/04/11 会田雄二「世界の歴史12 ルネサンス」(河出文庫)-1 の続き。 今度はルネサンスのネガティブな面。 ・アヴィニョンの捕囚のあと、法王権は再び強くなる。地方教会ができて、農民他の平信徒を教会に組織化する。目覚めてから寝るまで、生まれて…
鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)に続けて「世界の歴史12 ルネサンス」。ここでは1300年から1600年までのヨーロッパを扱う。われわれは世界史の教科書で「暗黒の中世」から「ヒューマニズムのルネサンス」に転換したと習った。 前掲書を…
2016/03/29 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1 2016/03/30 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-2 2016/03/31 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-3 の続き。 キリスト教は3世紀ごろにローマ帝国の…
2016/03/29 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1 2016/03/30 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-2 の続き。 中世後期になると、都市ができる。この成立過程も重要。都市もいくつかの類型に分かれる。 その前に商人に…
2016/03/29 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1 の続き。 そういう「発展途上国」だったヨーロッパが変わるのは、9-10世紀に農業革命が起きてから。鉄製農具が使われ(中国に2-3000年遅れ、この国とは数百年遅れ)、家畜にひかせて深耕…
クラシック音楽と科学史の興味からヨーロッパ中世は気になっていた。とはいえ、読書は散発的だったので、しっかりした通史を読むことにする。著者はこの国の1950-60年代の西洋中世史の泰斗。高校の世界史の教師に著者の本を読めといわれたのに、そのときは重…
ギリシャが世界史に登場するのは、紀元前3000年ころから紀元前200年くらいまで。最初の1000年くらいは記録が少ないので、わからないことだらけ。最盛期は紀元前4-500年ころで、ギリシャ悲劇の黄金時代。ソクラテス、プラトンにアリストテレスの哲学の巨匠は…
中学や高校の歴史の授業がつまらなかったせいか、古代史には興味を持たなかった。成人後は、せいぜいウィルヘルム・フルトヴェングラーの祖父やアガサ・クリスティの夫が考古学者であるとか、旧約聖書の時代が重なるとかそれくらい。知識として、ナポレオン…
1960年代に出版社は叢書や通史などの巨大な書物をつくることが多かった。その象徴が平凡社の百科事典で、販売の成功(百科事典のセールスマンが団地に営業をかけるというくらい。イギリスの成功例を導入したもの。この国では1980年代頭まであった)にあった…
イエスの時代をユダヤの側だけから見るだけではなく、ローマの側からもみるためにこの本を読む。どうやら河出の「世界の歴史」シリーズは歴史学で認められる事実だけではなく、当時の人々が事実と考えていたことも歴史に書いてよいというスタンスらしい。福…
もとは1974年初出で、1990年に文庫化された。著者は小児科医で、育児の本で有名。彼の原作をもとに商業映画もつくられたくらい。一方、ロシア革命の研究家でもあるらしく、いくつか著作があるようだ。このあとがきによると、書き手がほかにいなくてお鉢が回…
先に鈴木良一「織田信長」を読んでいたのだが、信長の時代である1500年代の100年間に起きたことは、中国では春秋戦国時代の約500年間(紀元前700年から紀元前200年まで)に起きたことなのだ、と考えた。ということは、中国は日本より約2000年早く歴史を進み…