2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧
これもなーつかしいなあ(by佐藤允@独立愚連隊西へ!)。いまは廃刊になった雑誌「自然」の連載が中公自然選書になり、これも品切れになって岩波現代文庫で刊行された。残念なのは、中公自然選書に載っていた写真が削除されたこと。戦前の多くの研究所、大…
2013/01/31 廣重徹「科学の社会史 上」(岩波現代文庫) の続き。 「戦後日本の科学は,戦時の総力戦体制の構築とともに整えられた基盤の上に成長し,経済政策に即応するかたちで大きな飛躍を遂げた.下巻では,敗戦・復興から高度成長へといたる時代の科学…
1981年、岩波現代選書で発行。1970年代に、科学は社会にどのような影響を与え受けたのかというレポート。廣重徹「科学の社会史」を受けて、書かれなかった1970年代を鳥瞰しようとする試み。ここでは「1968年」という象徴年に、科学の体制化の在り方が変わっ…
1995年初出のこのレポートは、廣重徹の史観をもとにして、戦後の科学技術政策を4つの時期に分ける。 1.占領政策の影響(1945-1952) ・・・ 占領政策の初期にはニューディーラーが教育・科学を担当する部署に多くいたので、アメリカ型の科学技術政策や組織…
若くして亡くなった科学史家の論文集。彼の関心は物理学史とこの国の科学社会学であったが、ここではそこから外れるテーマの論文が収録されている。内容は濃い。例によって論文のサマリー。 科学のおける近代と現代 ・・・ 科学の開始は16世紀ごろに求められ…
たぶん季刊クライシスの科学批判特集号(「技術と人間」が正しい)で、読書案内に載っていたから購入したのだと思う(1983年購入)。 1970年代の真ん中あたりにかかれたもので、この国への紹介は1980年。監修をしている里深文彦さんは当時相模女子大助教授で…
タイトルからすると、博物学者か有機農業を行うコミューン生活者を志すように思える。この本が出版されたのは1975年ころ(翻訳は1982年)であるので、反=資本主義的な生き方が志向され、このような隠遁的な生活スタイルが試みられたものだ。そうい…
雑誌「自然」や「科学」に連載された記事を元にして1960年晩冬に出版された。この本の衝撃の一端は荒俣宏「目玉と脳の大冒険」に記載されている。なにしろ、生物学の目的について大転換を図ろうという目論見があって、その転換の大きさというのは当時の学者に…
「生物学の革命」の10年後の「みすず」連載をまとめたもの。ベトナム戦争と大学闘争、公害と環境破壊と資源枯渇が背景になっていて、前著よりもさらにラディカルな問いかけになっている。 I. 序章 ・・・ この本の問題意識は2つ。ひとつは、大学闘争による「…
前著「反科学論」から3年後の1977年刊。前著の想定読者および問いかけ先は職業科学者であったが、こちらでは一般市民(というか非専門家)に対して科学を説明することを目的にしている。もちろん単純な啓蒙ではなくて、科学批判への実践的な参加の呼びかけを…
1980年の語りおろし。前著「あなたにとって科学とは何か」に対する批判があって、分子生物学からなぜ発生生物学に変えたのか、科学批判はどのようにあるのか、などを話すためのもの。 彼は1947年から核酸の研究を始めていて、西欧の分子生物学の興隆を実感で…
著者は今西進化論批判の本をいくつか書いているが、これがもっとも古くて、最も網羅的。取り上げているのは今西進化論だが、実のところはネオダーウィニズムの優れた紹介になっている。これを準備するにあたり「種の起源」の前の草稿をファクシミリ版で読み…
自分は心理学のよい勉強家ではない。新書を10冊くらいと岸田秀や秋山さと子らの通俗解説書とフロイトの「精神分析入門」とラカンの一冊くらいなものだ。なので、藤岡喜愛がロールシャッハテストの話をしてもさっぱりわからない。あと柴谷によると、今西錦司が…
1982年刊行。この本の前には「反科学論」1972、「あなたにとって科学とは何か」1977、「日本人と生物学」1980、「今西進化論批判序説」1980がある。そこに書いたことが前提になっている事に注意。単独で読むことは可能だが、これらに目を通しておくほうがわ…
1980年から83年にかけて雑誌に書いた文章やインタビュー、講演を収録している。科学批判の主題は別の本(「私にとって科学とは何か」朝日新聞社)の感想で触れたのでここでは書かない。 代わりに「バイオテクノロジー批判」について。とはいえ、当時の状況を…
「私にとって科学とは何か」で発生生物学にターゲットを変えた著者。この本では科学批判、自己変革、社会変革をどのように実践するかを考える。あわせて、実践例を提示し、批判を仰ごうという意図の本。 第1部 批判の論理 私にとって「科学批判」とは何か …
初出は1985年。いみじくも「週刊本」シリーズの最終巻で、唯一のハードカバーである。 それはさておき、初出年にあるように「構造主義生物学」を名付けた邦書の最初である(と思う)。この時代には池田清彦は自説を発表していないので、柴谷との邂逅は後の話…
この本は著者の第2作にあたり1984年に刊行された。当時和歌山大学講師であったが、31歳。浅田彰「構造と力」の26歳にもびっくりしたが、この著者の年齢にも驚いた。まあ、なんとたくさんの本を読んでいること、それにびしびしと評価を与え、明晰な論理を展開…
1987年の新書。筑波科学博などというイベントがあったり、日本的経営システムが優秀だと論じられたり、超伝導や遺伝子組換、PCなど科学技術が社会をばら色に変革するという夢が語られたりした時代の著作。200ページちょっとの小冊子でありながら、中身の濃い…
このblogを始めるときにモットーが3つあった。3.宣伝活動をなるべくしない web検索で複数回のクリックをしないと、このblogが発見されないようにしておく。 毎年特定の話題が繰り返されるようで、「ルィセンコ」「サイキック戦争」「自炊 pdf」あたりの検…