odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

坂口安吾(探偵小説)

坂口安吾(探偵小説) INDEX

2011/10/12 坂口安吾「不連続殺人事件」(角川文庫) 2017/09/05 坂口安吾「能面の秘密」(角川文庫) 1955年 2017/09/06 坂口安吾「復員殺人事件」(青空文庫) 1949年 2017/09/07 坂口安吾「坂口安吾全集 12」(ちくま文庫)-「明治開化安吾捕物帖」1 19…

坂口安吾「坂口安吾全集 13」(ちくま文庫)-「明治開化安吾捕物帖」2 近代的自我をもっていて、「おれが」「私が」と存在を主張する者がいないから犯人当ての意外性がない。

2017/09/07 坂口安吾「坂口安吾全集 12」(ちくま文庫)-「明治開化安吾捕物帖」1 1952年の続き つづけて後半。このころには狂言回しの虎之介や海舟はほとんどでてこない。 タイトルのまえに★がついているのは、「日本探偵小説全集10 坂口安吾編」(創元推…

坂口安吾「坂口安吾全集 12」(ちくま文庫)-「明治開化安吾捕物帖」1 ややこしい人間関係を味気なく、事件の起こる前のできごとを時間順に書くから読むのは厳しい。

ちくま文庫の坂口安吾全集から第12巻。ここと第13巻には「明治開化 安吾捕物帖」全作が収録。創元推理文庫、富士見文庫は抄録なので、これは助かる。昭和二十五年から二十七年まで、新潮社の雑誌「小説新潮」に連載されたとのこと(この連載のために同時…

坂口安吾「復員殺人事件」(青空文庫) 盛り込みすぎの中絶長編を高木彬光が「樹のごときもの歩く」と改題して完成。「『不連続』にはおよばなかったろう」に同意。

40年前には角川文庫で出ていたが、ずっと品切れ絶版のままなので、今回は青空文庫で読んだ。昭和24-25年にかけて雑誌に連載。途中には「読者への挑戦」が挿入され、正解者には総額3万円(現在価値にするといったいいくらになるのか?)を作者が提供するとい…

坂口安吾「能面の秘密」(角川文庫) 批評眼は新しいのに、実作は古い探偵小説のフォーマットを踏襲。

坂口安吾の探偵小説集。創元推理文庫の都筑道夫の解説によると、全集の4分の1が探偵小説というくらいに作家はこのジャンルに入れ込んだ。ここでは角川文庫に収録された短編に、日本探偵小説集(創元推理文庫)に乗っているものを加えた(不連続殺人事件と明…

坂口安吾「不連続殺人事件」(角川文庫) 意外な犯人を隠したかったら、文章の中に紛れ込ませればいいんです

今回読み直した角川文庫版には、高木彬光の解説が載っていて、これが探偵小説として読んだときのポイントをしっかり収めたすぐれもの、および遺作「復員殺人事件」を補筆したときの記録も書いた重要文献。なので、初出挿絵付きの創元推理文庫版とともにもっ…