ジョン・ガルブレイス
2015/05/11 ジョン・ガルブレイス「ゆたかな社会」(岩波現代文庫)-1 タイトルの「ゆたかな社会」は明示されなかった。たぶんそれは1920年代と1950年代のアメリカを指すのだろう。高い成長率で経済が発展し、それに伴い賃金が上昇。工業・サービス部門では…
ガルブレイス(1908-2006)の主著とされるもの。最初の版は1958年にでて、あと40年かけて5回の改訂版をだした。これは最終版を翻訳したもの。 背景にあるのは、1950年代のアメリカ。自助努力が必要不可欠とされる民主主義の独立心。公共性やセイフティネット…
巻末の都留重人の解説を借用してまとめる。ポイントは、インフレと失業にどのように対応するかということ。 ・最初に、市場が古典派経済学の規定していた自由競争の場でなくなったこと。巨大企業は、市場をコントロールすることができる。大企業は販売価格を…
著者の言によると、20世紀後半になると、19世紀に想定されていたような階級は姿を消した。ブルジョアとプロレタリアという階級の二分はありえない(あれ、ここには農・魚民などの1次産業の従事者と官僚の存在が無視されている)。 かわりに生まれたのが、個…
以前読んだとき(講談社文庫)は、なんだマルクス経済学の評価が低いじゃないか、世界の不確実性とその克服のことを書いていないじゃないか、と厨房丸出しの感想だった。まだ、1989年を迎えていないし、たとえばポーランドの連帯活動や西側世界の反核運動に…