ゲルハルト・ハウプトマン
これまでの自然主義的な作風、社会の矛盾の摘出を目指していた劇がここで一変する。「織工」から2年後の1894年、作者36歳の作品。 登場するのは、鐘の鋳造家。よい音を作ることに執着した芸術家肌の職人ハインリッヒだ。かれが制作に絶望したとき、出会うの…
1844年に起きた機械破戒運動を参照して1892年にハウプトマンが作った戯曲。この国では1933年に築地小劇場で上演された(訳者久保栄はこの劇場の関係者)。 簡単に背景のおさらい。西欧の綿織物はインドの綿花をオランダ・ベルギーあたりが輸入し綿糸に加工。…
ごく簡単に紹介すると、1862年生まれの劇作家。デビュー当時は、自然主義的作風で社会批判を行うものであったが、次第にロマン主義や象徴主義が作品に反映されていく。とりあえず「日の出前」「織工」が前期の自然主義を代表するもので、「沈鐘」が象徴主義…