2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ミッテラン政権(1981-1995)まで長期政権になったフランスの1980年代をみる。この10年間は、国家主導型経済に対する自由主義のバックラッシュがあり、民営化や規制緩和が進んだ。ではフランスはどうだったか。ヤーギン/スタニスロー「市場対国家 上下」(日…
清水弟「フランスの憂鬱」(岩波新書)の続き。1995年にシラクが大統領になってからのおよそ10年。 ミッテランの社会党政権末期には汚職が横行していて議員や大臣にもあったのがわかった。またミッテランの14年の統治に飽きがあった。そこで、ドゴール派のシ…
2020/09/24 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-12020/09/22 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-22020/09/21 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-32012/03/16 アガサ・クリスティ「スタイルズ荘の怪…
1978年12月。通常だと、クリスマスにクリスティの新作が発売されるが(英語圏)、1976年に亡くなったのでもう新作はない(「カーテン」「スリーピング・マーダー」は発売済)。そこで、書肆は追悼の評論集を出した。 クリスティ、人と作品簡潔さの女王(エド…
2020/09/24 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-1の続き 評論ノスタルジーの王国(コリン・ワトソン) ・・・ 1920年代のイギリスの庶民は貸本屋で本を借りて読んでいた(いわれてみれば! ペーパーバックが出て本が消耗品になったのはWW2…
2020/09/24 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-12020/09/22 早川書房編集部「アガサ・クリスティ読本」(早川書房)-2 の続き 物語作者としての魅力(小林信彦、石川喬司、稲葉明雄、小鷹信光) ・・・ 1972年「世界ミステリー全集 第1巻…
講談社文庫(絶版)とハヤカワ文庫が「ゴルフ場殺人事件」、創元推理文庫が「ゴルフ場の殺人」。著者の長編第3作だが、ひとつまえが「秘密機関」というエスピオナージュなので、本格推理としては2作品目(1923年初出)。この小説からこの国の「新本格」の書…
ポアロの、クリスティの初期短編。1924年に「Poirot Investigates」のタイトルで出版。創元推理文庫版はオリジナルのアンソロジーより収録は少ないようだ。ポアロとヘイスティングスがあったばかりで、同居生活を始めたばかり。ポアロのあとをヘイスティング…
ポアロの、クリスティの初期短編。1923-30年にかけて書かれたもので、1974年に出版された「Poirot's Early Cases」に基づく。「戦勝舞踏会事件」が短編デビュー作。 創元推理文庫の「ポアロの事件簿 1,2」はハヤカワ文庫の「ポアロ登場」と「教会で死んだ…
村の未亡人が自殺した。一年前に夫を毒殺したといううわさがたてられていて、ようやくそれも消えようというころ。その翌日、村の財産家ロジャー・アクロイド氏が夜分になにものかに刺殺された。ロジャーの家にはその夜、たくさんの訪問者がいて、下がってい…
アメリカの富豪ヴァン・オールディン氏は娘の結婚に不満だった。夫がいい加減な遊び人で金をせびってばかりなのに、別の女(ダンサー)にうつつを抜かしている。離婚しろといいだすと、娘は娘でフランスの侯爵に入れあげていた。「ハート・オブ・ファイア」…
ハヤカワ文庫のタイトルは「おしどり探偵」、創元推理文庫は「二人で探偵を」。 【今日の一冊】本日(11月22日)は「いい夫婦の日」です。『おしどり探偵』好奇心旺盛な妻・タペンスとやさしい夫・トミー。夫婦はひょんなことから国際探偵事務所を開設。素人…
原題「The Murder at the Vicarage」1930年はハヤカワ文庫で「牧師館の殺人」、新潮文庫で「牧師館殺人事件」、創元推理文庫で「ミス・マープル最初の事件」。ミス・マープルの長編初登場は本作だが、そのまえに「ミス・マープルと13の謎」に収録された短…
ハヤカワ文庫は「シタフォードの秘密」で、創元推理文庫は「シタフォードの謎」。違いはないです。 なるほど19世紀末からオカルトが流行り、大衆に広く膾炙した。帝政ロシアのラスプーチンなどをいう怪僧が政権に口を出すくらいになり、ブラヴァツキー夫人と…
作家レイモンド・ウェストの家には、警視総監、女性画家、弁護士、牧師が毎週火曜に集まる。一人しか結末を知らない話をして謎解きをする。いつも真相を当てるのは、セント・メアリー・ミード村から一歩も出たことのない老婦人ミス・マープル! 関係なさそう…
原題「Peril at End House」を新潮文庫はこのように名付け、創元推理文庫は「エンド・ハウスの怪事件」、ハヤカワ文庫は「邪悪の家」とする。1932年初出の長編第12作。 イギリスの南海岸で休暇中のポワロとヘイスティングスは、3日に3度殺されかけたという若…
創元推理文庫では「晩餐会の13人」で、ハヤカワ文庫では「エッジウェア卿の死」、新潮文庫では「エッジウェア卿殺人事件」。イギリス版とアメリカ版でタイトルが異なっていて(クリスティにはよくある)、翻訳者の判断でこのようになったらしい。書誌情報…