ロス・マクドナルド
2015/09/25 ロス・マクドナルド「トラブルはわが影法師」(ハヤカワ文庫) 2015/09/24 ロス・マクドナルド「人の死に行く道」(ハヤカワ文庫) 2015/09/23 ロス・マクドナルド「象牙色の嘲笑」(ハヤカワ文庫) 2015/09/22 ロス・マクドナルド「凶悪の浜」(…
1945年2月(この日付は重要)、久しぶりの休暇を得た海軍少尉サム・ドレイクはホノルル経由で、デトロイトに変えることになった(このおかげでサムは沖縄戦を経験しなくて済んだし、たぶん原爆投下にもかかわっていない)。海軍の友人に誘われてパーティにい…
探偵リュー・アーチャーの登場第3作。初登場の「動く標的」はまだ読んでいないが、ポール・ニューマン主演の1960年代の映画は面白かった。小説そのままに、探偵が捜査しているのがほとんどで、暴力はときたま。たくさんの登場人物がでてくるので、観客は記憶…
高校生の時に読んで、なんだかよくわからず、もう一度読みなおそうと思っていた。難しいと感じたのは、プロットが複雑だったからだった(ルーシーの殺人は資産家の息子の失踪に関係していて、その息子が付き合っていた女はギャングの愛人で、愛人は二股かけ…
「常夏の南カリフォルニア、ロサンジェルス郊外。太平洋の青い波に洗われるマリブ海浜に背中から心臓を打ち抜かれた若い女の死体が発見された。迷宮入りとなったこの事件の2年後、再び惨したいが漂着し、あい前後して別に二つの殺人事件が発生する。非常の…
1960年初出の長編第14作にはリュー・アーチャーが登場しない。かわりに、ウィリアム・ガナースンという弁護士が登場。父がペンシルヴァニア出身、朝鮮戦争に出兵して帰国後弁護士資格を取得。ロサンゼルスの売れない弁護士。見た目や性格はアーチャーと変わ…
「女の名前はフィービ・ウィチャリー、年齢は21才。彼女は霧深い11月の早朝、サンフランシスコの波止場から姿を消した。それから三ヶ月 、フィービの行方はようとして知れなかった。そして今、私立探偵リュウ・アーチャーは父親のホーマー・ウィチャリー…
24歳の娘ハリエットが気に入らない芸術家の男と結婚しようとしている。娘には叔母から莫大な遺産が入ることになっているが、自由に使えるのは25歳になってから。そのため海軍軍人の父マーク・ブラックウェルは厳格に育ててきたが、娘は孤独で、放縦な性格に…
「実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。アーチャーは見るに見かねて調査を開始した。ほどなくドリーの居所はつかめたが、彼女は夫の許へ帰るつもりはないという。数日後アレックスを尋ね…
アーチャーが頼まれたのは、大学を卒業した24歳の娘ジニーの行方。富豪の娘でフィアンセもいたが、突然インテリ風のフランス人と結婚し、駆け落ちするといいだしたのだ。フランス人の正体と行く先を突き止め、できれば阻止してほしい。願ってきたのはフィア…
過去と現在が入り組んでいるので、注意深くなければならない。ストーリーはアーチャーに寄り添うが、プロットは過去20年前から現在(1964年刊)までの長さになる。 「大実業家の息子トムが脱走したので探してほしい-----アーチャーは少年院の院長から依頼を…
アーチャー視点でないサマリーをつくると、19歳の粗暴な青年デイヴィがいる。孤児で、とても攻撃的で、LSDもやっていて、カウンセラーにかかっていたが殴り倒した後、職に就けずに居所を転々としている。彼には秘密があり、3歳の時に青年の父親が轢死に会い…
「ロスアンジェルスに住む元警察官の私立探偵リュウ・アーチャーはアイリーンという裕福な中年婦人から依頼を受ける。空き巣に入られ、彼女の大切にしていた黄金の小箱が盗まれたというのだ。アイリーンは息子の大学生ニックが盗ったのではないかと怖れていた…
初出の1971年の親子問題を図式化すると、親は1930年代の不況と1940年代の戦争の経験者。社会の不安定さと貧困を見てきたので秩序と平穏を求める。子らは1950-60年代の高度経済成長期に子供時代をすごし、ベトナム戦争の理不尽に出会う。国内では公民権運動が…