odd_hatchの読書ノート

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都筑道夫

都筑道夫「少年小説コレクション1」(本の雑誌社)-「ゆうれい通信」

都筑道夫のジュブナイル小説(少年小説と呼ぶ方が当時にはあっている)。敗戦後に生まれた大量の子供がティーンエイジになり、娯楽のマーケットが生まれたのだ。学習誌、マンガ雑誌、貸本マンガなどのメディアがいっせいにできた。そのために書き手が不足し…

都筑道夫「少年小説コレクション2」(本の雑誌社)-「ゆうれい博物館」

「少年小説コレクション1」に続いて本格探偵小説を集める。前の巻よりも少し後の時代のものを集める。初出誌は「中〇コース」「中〇時代」「高〇コース」「高〇時代」「少女コース」など。〇には学年を表す数字がはいる。 ゆうれい博物館 1970.04-71.03 ・…

都筑道夫「少年小説コレクション6」(本の雑誌社)-「拳銃天使」「どろんこタイムズ」

1959-61年のジュブナイルのうち、冒険アクションや少年推理ものを集める。下記は「少年マガジン」「漫画王」「高校時代」「中学時代」「中学生の友」「中学生画報」などに連載されたもの(ベビーブームの子供たちがいっせいに進学したころで、生徒向けの雑誌…

都筑道夫「少年小説コレクション5」(本の雑誌社)-「未来学園」「ロボットDとぼくの冒険」

1960-80年のジュブナイルのうち、SF、ホラーの系統にあるものを集める。 未来学園 1965.04-1966.03 ・・・ 百年後(2065年)の中学1年生の生活。野村マリとクニオの一卵性双生児が学園に入寮する。そこで起きる騒動。幽霊、電話破壊、消える死体、誘拐、宇…

都筑道夫「少年小説コレクション4」(本の雑誌社)-「妖怪紳士」「ぼくボクとぼく」

1960-70年のジュブナイルのうち、SF、ホラーの系統にある長編を3つ収録。 「妖怪紳士」は週刊少年キングに連載(このころにはマガジン、サンデー、ジャンプはマンガのみになっていたので、小説の連載はめずらしい)。この時代を思い出すと、1965年から水木…

都筑道夫「少年小説コレクション3」(本の雑誌社)

1970年前後のジュブナイルのうち、本格推理の系統にあるシリーズをまとめる。 蜃気楼博士 第一の挑戦 蜃気楼博士 1969.05-11 ・・・ 久保寺俊作はアメリカでドクター・クボとして有名になったマジシャン。その見事さから、ドクター・ミラージ、すなわち蜃気…

都筑道夫「犯罪見本市」(集英社文庫)

初出は1970年だが、書かれジェセフィン・テイ「時の娘」(ハヤカワポケットミステリ) - odd_hatchの読書ノートたのはもっとまえの1960年代前半とおもう。初出の情報は不可欠なので、解説を書くときは必ず書いてくださいな。あなたの楽しみだけを書くところ…

都筑道夫「十七人目の死神」(角川文庫)

主に1960年代に書いて単行本に収録されていなかった怪談小説を自分でまとめて(古いものに手を入れて再発表したものが多いので1970年代の発表日付がついているが)、一作ごとにあとがきを追加したもの。1972年にでた。お気に入りの短編は、1975年の 都筑道夫…

都筑道夫「夢幻地獄四十八景」(講談社文庫)

1972年出版のショートショート集。文庫になったのは1980年。 ショートショートだけを集めたものはいっきに読み通すのがなかなか難しい。話題や主題が奔放に飛んでいくので、数編前のがどんな話だったかを思い出せなくなる。そのうえ一冊全体の印象を持てない…

都筑道夫「吸血鬼飼育法」(角川文庫)

ファースト・エイド・エージェンシー主宰の片岡直次郎。よろずもめごと解決業とでもいうか、どんな依頼であっても、「ノー・ジョブ・トゥースモール、ノー・プロプレム・トゥー・ビッグ」と涼しい顔をする。きちんと報酬をいただければ、何でも(自らコロシ…

都筑道夫「危険冒険大犯罪」(角川文庫)

単行本の初出は1974年。収録された中短編は記述からすると、もう少し前に書かれたと思う。 俺は切り札 ・・・ ファースト・エイド・エージェンシー主宰の片岡直次郎。今回の依頼は、フランスの大画家ゲクランの描いた「拘束衣を来た狂女」の本物を入手しろと…

都筑道夫「七十五羽の烏」(角川文庫)

「タロー・モノノベ、サイキック・ディテクティヴ」に最初に依頼してきたのは、無為の日々をすごすこと一月半たってのこと。茨城の叔父が「滝夜叉姫」の怨霊に殺されるかも、心配なので調査してという若い女によるもの。茨城は平将門の旗揚げの土地で、古い…

都筑道夫「七十五羽の烏」(光文社文庫)

デュパンの昔から、探偵というとスノッブで人嫌いで高踏派で韜晦趣味があるという相場だった。そういう現実には存在しない「名探偵」がたくさんいたので、反動としてリアルな私立探偵や警察官が主人公になることがあった。第3の道を開いたのが、レックス・…

都筑道夫「最長不倒距離」(角川文庫)

「七十五羽の烏」事件を解決したので、ものぐさ太郎の父が勝手に新たな依頼人と契約してしまった。今度は黒馬温泉の老舗旅館。むかし心中事件があって幽霊が出ると評判だったのに、最近ちっともでない。どうにかもう一度出るようにならないか、という突拍子…

都筑道夫「朱漆の壁に血がしたたる」(角川文庫)

推理作家の紬志津夫(短編「悪役俳優」1989.12@袋小路にも同名の作家が登場)が、読者の応募した不可能状況を解決するチャレンジに取組ことになった。謎解きはできるが、そうする合理的な理由を思いつかないと悩む。再婚した若い妻が、昔似たような事件があ…

都筑道夫「魔女保険」「幽霊売ります」(角川文庫)

角川文庫のショートショート集成。1973年に「悪意辞典 ショートショート集成2」というタイトルで単行本になった。「幽霊売ります」と「魔女保険」の分冊になった文庫版の初出は1980年。ほかに「悪夢図鑑」「悪業年鑑」というタイトルでショートショート集成…

都筑道夫「あなたも人が殺せる」「感傷的対話」(角川文庫)

角川文庫のショートショート集成。1973年に「悪夢図鑑 ショートショート集成1」というタイトルで単行本になった。「あなたも人が殺せる」「感傷的対話」との分冊になった文庫版の初出は1979年。ほかに「悪意辞典」「悪業年鑑」というタイトルでショートショ…

都筑道夫「スリラー料理」「ダジャレー男爵の悲しみ」(角川文庫)

角川文庫のショートショート集成。1973年に「悪業年鑑 ショートショート集成3」というタイトルで単行本になった。「ダジャレー男爵の悲しみ」「スリラー料理」との分冊になった文庫版の初出は1980年。ほかに「悪夢図鑑」「悪意辞典」というタイトルでショー…

都筑道夫「にぎやかな悪霊たち」(講談社文庫)

オカルト評論家出雲耕平に持ち込まれるいろいろな心霊現象の相談をおれ(鶴来六輔)が右往左往しながら調べる連作。相棒のカメラマンは亀田で、ふたりあわせて「つるかめ」コンビと言われている。ビルには喫茶店ブルブルがあり、アルバイトの由香里ともいろ…

都筑道夫「キリオン・スレイの生活と推理」(角川文庫)

ベトナム戦争のあおりで、ヒッピーなどガイコクジンが多数来ていたこの国(当時は固定相場でドル高円安で、特に米人はきやすい)。キリオン・スレイも何となく日本にきて、アメリカで知り合った青山富雄、通称トニイの家に居候を決め込んでいる。このなまけ…

都筑道夫「キリオン・スレイの復活と死」(角川文庫)

1974年のキリオン・スレイ第2作。キリオンの日本滞在も長くなって、だいぶ達者に日本語を操るようになったが、世間話や推理比べになると、とんちんかんな言葉を持ち出してくる。 ロープウェイの霊枢車 ・・・ 女性モデル3人とカメラマン、編集者が富雄とキ…

都筑道夫「キリオン・スレイの再訪と直感」(角川文庫)

1978年のキリオン・スレイ第3作。タイトルを「〜〜が死につながる」と統一するのは、スタイリッシュな作者の趣味の発露だろう。「全戸冷暖房バス死体つき」、「妄想名探偵」、泡姫シルビアシリーズが同じ趣向でタイトルをまとめている。 如雨露と綿菓子が死…

都筑道夫「キリオン・スレイの敗北と逆襲」(角川文庫)

あれ(前作「キリオン・スレイの再訪と直感」1978年)から何年たったのか、キリオン・スレイはアメリカに戻っている(1983年初出)。オキソーローの青山富雄(トニイ)も翻訳家として独り立ち。今日は、ニューヨークツアーのガイドとして観光客5人を連れて…

都筑道夫「神州魔法陣 上巻」(時代小説文庫)-1

腕の良い掘り細工師の巳之吉、正体不明の浪人の内藤端午、未来予知能力のあるお近らが、30年前に死んだ平賀源内の野望を食い止めようとする。死人を操り、付け火に殺人を繰り返す彼らの目的は得体が知れない。それぞれ異能を持つが、強大な敵組織には歯が…

都筑道夫「神州魔法陣 上巻」(時代小説文庫)-2

2017/07/21 都筑道夫「神州魔法陣 上巻」(時代小説文庫)-1 1978年 京が事件の焦点であり、そこにいるはずの若侍と会うことが必須の事項、しかしながら死の可能性も高まっている。事件を知るのは彼らのみとなると、旅に出ざるを得ない。徒歩の旅では道中さ…

都筑道夫「神州魔法陣 下巻」(時代小説文庫)

2017/07/21 都筑道夫「神州魔法陣 上巻」(時代小説文庫)-1 1978年 2017/07/20 都筑道夫「神州魔法陣 上巻」(時代小説文庫)-2 1978年 源内らの妨害はいよいよ激しくなる。端午らは旅程を進みはしても、敵の意図を挫くには後れを取っているのではないかと…

都筑道夫「フォークロスコープ日本」(集英社文庫)

フォークロスコープは作者の造語で,、フォークロアとスコープをくっつけ、過去現在未来を一覧する日本民話絵図といったつもりだそうな。短編は別々の雑誌に、時期を変えて収録されたが、初出年は作者の記憶で書いた解説に基づくので不正確(昭和37-8年とあっ…

都筑道夫「ミステリイ指南」(講談社文庫)

本多勝一「日本語の作文技術」(朝日新聞社)や木下是雄「理科系の作文技術」(中公新書)で、文章の書き方や論理構成を勉強したとする。そのあと、小説を書きたいと思ったときに、どうやって小説を書くかを知りたいと思う(いきなり始めると、たいてい途中…

都筑道夫「西洋骨牌探偵術」(光文社文庫)

鍬形修二は妻に三度も別れ、頼りの兄も亡くなった。タロウ・カードを泥縄で覚えて占い家業をするものの、誠実な占い師は足を使って依頼人の悩みを解決するはめになる。5編しかないが、印象深い探偵の登場。 腎臓プール ・・・ 邸内のプールに飛び込んだ妹(…

都筑道夫「悪魔はあくまで悪魔である」(角川文庫)

1974年から1976年にかけて雑誌「野生時代」に連載された短編を24編収録。このあと同じタイトルで「都筑道夫恐怖短篇集成〈1〉」ちくま文庫が出版されているが、たぶん収録内容が異なる。ご注意あれ。角川文庫版のほうがよいのは、雑誌に掲載されたときに描か…