odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2014-07-31から1日間の記事一覧

金子光晴「ねむれ巴里」(中公文庫) 世界不況下のパリを下から覗くと、輝きすら幻滅にみえ、栄光は恥辱にまみれ、非凡が凡庸のきわみにみえる。

前作「どくろ杯」では、森三千代と巴里に抜けようというところ、上海にカウランプールほかで道草を食うところまで書かれていた。ここでは、先に送り出した森三千代を追って、シンガポールからインド洋にでる貨物船に乗船するところから始まる。そして約2年間…