odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2021-04-16から1日間の記事一覧

永井荷風「荷風随筆集 上下」(岩波文庫) 19世紀末西洋文化にどっぷり浸ったディレッタントは日本に幻滅し、世を捨て過去を幻視する。

永井荷風は歩く人。蝙蝠傘(当時はモダンで高価な品)をもち、日和下駄をはき、江戸時代の地図をもって東京中を歩き回った。本書に収録された「日和下駄」をみると、健脚の持ち主で、今の山手線周辺と浅草あたりを自分の散歩道にしていた。 彼の特徴は、反近…