odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2023-08-09から1日間の記事一覧

加藤尚武「現代倫理学入門」(講談社学術文庫)-1 カントの内面の格率による規範意識も、ベンサムの最大多数の最大幸福も、ミルの自由主義も、道徳や倫理の形式化にはうまくいかない。

20世紀末の倫理学が何を考えているかを網羅する講義の記録(1997年)。おもには功利主義をめぐる議論になっている。概況はまえがきに書かれているので、まずはそのまとめから。 20世紀末の社会倫理の特長は、脱宗教的な世俗性(功利主義)、市場経済(自由主…