odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

政治

佐伯啓思「アダム・スミスの誤算」(PHP新書)

アダム・スミスの読み直しとそれによる経済のグローバル化の批判。スミスの生きた時代が漱石「文芸評論」の時代であること、そして「産業革命」の時代であること(下記のように実際は別の経済革命が重要だった)。そのころから300年もたつと、どうもわれわれ…

佐伯啓思「ケインズの予言」(PHP新書)

2013/05/20 佐伯啓思「アダム・スミスの誤算」(PHP新書) 序章 凋落したケインズ ・・・ ケインズの政策は一国の閉鎖的な経済環境を想定していた。外国との開放経済を調べてみると、1)一国の独自の経済政策、2)貿易のバランス、2)為替レートの安定…

リチャード・ロービア「マッカーシズム」(岩波文庫) 1950年代アメリカで反共デマとヘイトスピーチに熱狂した人々が民主主義を壊し、個人の自由を侵害した。

ジョゼフ・マッカッシーはおよそエレガントでもジェントルでもインテリジェンスもない人柄。小柄で太っていて、強い飲酒癖をもち、ポーカーと競馬が大好きで仕事中に予想紙を広げていることもある。虚言癖をもち、いつでも支離滅裂ではあるが人を納得させる…

藤原帰一「デモクラシーの帝国」(岩波新書) 2001年911からアメリカが独断的に国際政治に介入し、世界を指導するという図式に変わった。

1989年の東欧革命で自由主義国家と社会主義国家の対立がなくなった。一時期は国際連合のような国家間の利害調整機能が働くかに思えたが、2001年9月11日のテロののち、アメリカが独断的に国際政治に介入し、世界を指導するという図式に変わった。このようなア…