odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2022-03-15から1日間の記事一覧

泡坂妻夫「湖底のまつり」(創元推理文庫) 会ったはずの人は存在しない? トリッキーな作品に感心しながらも、社会問題を無視する姿勢に鼻白む。

1978年に書かれた本書は著者の長編第3作という。むかし最初の長編「11枚のトランプ」を読んで、そのトリッキーな構成に驚かされた。でも、キャラが薄っぺらいなと、軽薄な印象をもっていたが、ここでは内面描写がしっかりと描かれる。その分、物語の展開は遅…