ここでは、ロバート・マキャモン「マイン」上巻をKINDKLEに取り込むまでを追いかけてみよう。
「マイン」は、マキャモンの10冊目の長編で初めて超常現象を扱わなくなった(略)・・・佳作である。品切れだし、新作の紹介も途絶えていて、あまり話題になっていない(「スワン・ソング」が売れすぎて著作権料をふっかけたからとか、トホホ)。古本屋で見かけたら読んでほしい。それはさておいて。
作業にかかる前。写真がピンボケとか、背景が汚いとか、そこらへんは見逃してください。
この姿でいられるのは今日まで。明日からはPDFになって、僕のために尽くしておくれ。KINDLEに入ったらいつまでも一緒だからね(読み終えたらKINDLEからファイルは削除するけど)。
裁断前の文庫と裁断に必要な道具を一望する。ディスクカッター、カッター、カッターシートなど。
カバーと本体をわける。永久のお別れだよ、きみたち。
まずカバーをディスクカッターで裁断しよう。カバーも裁断して、表紙に使う。
ディスクカッターで裁断しやすいように、本体にカッターを入れる。
(「わしらの姫様はこの手をデブだと言うてくださる。」)
通常の文庫本では50ページごとに、単行本や厚めの用紙のときは40ページごと。数ページの誤差は気にしない。
ポイント・オブ・ノーリターンを突破する。もうあとには戻れない。
準備用のカッティング完了。
「鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる」(加藤楸邨)
さらにディスクカッターで横をそろえるように切る。50ページごととか40ページごととかは、カッターの紙当て定規と底面の間に挟める厚さにするため。
紙当て定規からは、糊の接着側を数ミリ右にだす。
出す長さは、文庫によっていろいろ。左右の余白を均等にするには薄くしたいが、それでは接着面が残ることがある。ページが完全に分かれていないとスキャナーでジャミングを起こす原因になる。
切り幅を決めたら、押さえを固定する。紙を押さえにしっかり押し付けること。
底面にはA4、B5などの紙のサイズが書いてあるが、参考程度と考える。
力を入れてカッターを数回上下に移動。手に紙の切れる感触が伝わってくる。力を入れすぎると、底面のカッターマットに深い切れ込みを作り、切れ味を悪くするので、ご注意。カッターマットは消耗品で追加注文可能。
しゃかしゃかと、きっていく。紙のくずがたくさんでるので、ディスクカッターの下には新聞紙などをおくとよい。
※ KINDLE用のPDFを作ろうという紹介ページでは、ときに、余白も裁断することが薦められている。自分は反対。AdobeAcrobatのトリミングで同じことができるから、そっちで作業したほうが簡単。それに裁断面を4つ増やすから、時間がかかるわ、ページごとの活字位置のずれをきにするわで、いいことはないと思う。
裁断完了。右側にあるのは、箸のような文庫の接着面。
カッターをしまったら、ちゃんと掃除しておきましょう。
写真はないけど、カッター本体にもたくさんゴミがついているので、ウェットティッシュで拭きとるとよい。
以上の書籍の裁断は、全体の作業の中ではあまり時間のかからないもの。このあとのスキャニングが一番時間がかかる。なので、裁断は、一度に20冊以上をまとめて行うのがよい。
※ 電子レンジで糊を溶かしてページを分ける方法があるとのこと。「電子レンジ 本 分解」で検索すると、レシピがでてくる。自分は試していない。
次はスキャニング。