odd_hatchの読書ノート

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青空文庫をAmazonKINDLEで読んでみた

青空文庫というボランティアサイトがあり、そこには著作権の切れた主として文学と随筆、詩歌などが公開されていることはご存知だろう。iphoneにはi文庫という無料アプリがあり、webサイトからダウンロードして、読むことができる。

あいにくKINDLEにはこのようなアプリとサービスがないので、ダウンロードしたtxtファイルを取り込んでも読むわけにはいかない。

これもまたボランティアサイトだが、青空文庫のzipファイルからKINDLE用のPDFファイルを自動生成する無料サービスがある。「青空キンドル」。これを使うと自炊しなくてもKINDLEで小説その他を読むことができる。このサービスの使い方と、画面を比べてみよう。
青空キンドル
なお、自分はgoogleChromeを使っている。IEFirefoxOperaその他のブラウザーでは画面操作や表示される単語に違いがあるが、だいたい同じと思ってよい。

青空キンドルを開く。一ページだけのサイト。

青空文庫を開く。画面はホームページ。ここから目当ての作品を見つけていく。そのための画面遷移はいちいち説明しない。
さて、今回は小栗虫太郎黒死館殺人事件」をサンプルにする。「黒死館殺人事件」は著者の代表作とされる探偵小説で(略)・・・多くの愛好家がいる。戦前の作品ではあるが、1970年以降には文庫化に恵まれていて、ハヤカワポケットミステリー、講談社文庫、現代教養文庫創元推理文庫河出文庫などが出版されてきた。途中で読むのを諦めた小説というアンケートをとると、「ドグラ・マグラ」と並んで上位を占めるのが常であるが、ぜひトライしてほしい。一読しただけでは絶対にわけがわからないから、イヒヒヒ。

まず「黒死館殺人事件」のありかに到着する。大量のルビ、見慣れない漢字、錯綜した文体、いくつかの挿絵(これがないと内容がわからない)など、普通のテキストにないいろいろの意匠。入力者と校正者にありがとう。

まだ青空キンドルとリンクするわけにはいかない。「ファイルをダウンロード」をクリック。

別の画面になって、zipファイルかtxtファイルかを選択することになる。ここでカーソルをzipファイルに合わせて、右クリック。小ウィンドウの中から「リンクアドレスをコピー」を選択。

青空キンドルのサイトに移動。画面の入力枠をクリックし、右クリックで「貼り付け」を選択。

入力枠の中にURLが貼り付けられる。「PDF」をクリック。

※ 文字サイズの大中小、DX用2段組などいろいろ用意してくれている。自分はKINDLE3なので、迷わず文字サイズ「中」のまま。

ファイルのダウンロード画面が開いて、「保存」してよいかを聞いてくる。保存をクリック。このとき、保存先はブラウザーによっていろいろ。自分の好きなようにしてくれ。googleChromeだと「マイドキュメント」のなかに「Downroad」フォルダができていて、そこがダウンロード先になる。

ダウンロードが完了。フォルダーを開くと、おお、pdfファイルができているぜ。「kokushikan」という愛想のない名前なので、適当に変えて置くように。なんて(略

PDFを開いてみようか。こんな感じ。PCのモニターでは文字が大きいように思えるが、KINDLEに取り込んだときにはこのくらいがよい。

※ 青空文庫をPCで読むためにいくつかのビューアーがある。ボランティアで作成された方には恐縮ですが、これは!というものはない。むしろ青空キンドルでPDF化し、そのまま読むほうがいいのではないかしら。

※ あとAdobeAcrobatReader以外に無料PDFビューアーがでている。愛用しているのはfoxit reader。フリーのPDF readerなのにPDFファイルに直接書き込め,保存もできる凄腕ソフトです。

紹介記事は
こんなPDF閲覧ソフトを待っていた!「Foxit J-Reader」最強伝説 | 日経 xTECH(クロステック)

ダウンロードサイトは、
FoxitJapan, Inc. | PDF Converter PDF Editor Edit and Convert html, Word files to PDF

では比較のために現代教養文庫で自炊したPDFと比べてみよう。冒頭の「序篇 降矢木一族釈義」から。1970年代に出版された教養文庫版は少し文字が小さいかな。紙で読むには充分なのだが。

これをKINDLEに取り込んでみた。写真のまずいのは見逃してください。

河出文庫版と比較してみる。河出文庫版は現代教養文庫よりも文字サイズは大きい。文庫の紙サイズよりもKINDKEの電子ペーパーは狭いので、文字が見えにくくなるのがわかるだろう。

※ 青空キンドルにはすこしバグがあるらしい。黒死館殺人事件」がそれ。zipファイルは全頁を網羅しているが、青空キンドルを使ってPDF化すると、第2編の途中できれてしまう。たぶん挿絵の処理に問題があるのではないかと愚考する。*1「幽霊塔」「ドグラ・マグラ」「神州纐纈城」は大丈夫。
※ 青空文庫は一編ごとに一ファイル。短編ひとつごとにファイルができるというのは、管理が煩雑になる。「顎十郎捕物帳」のような連作短編だとまどろっこしくてたまらない。自分はAbobeAcrobat(ScanSnapについているもの)を使って、前後2つのファイルに統合した
 こうやって自分で編纂した短編集を作ることができる。芥川の王朝文学ものとか、大正の恋愛文学とか、鉄道小説とか。

青空文庫であれば、1960年以前になくなった著者の作品(2011年現在)が順次テキスト化されている。KINDLEをもってしまうと、夏目某や森某などの有名作家の小説を文庫で買う気持ちがなえてしまう。一方、作家の人生、他の作品など人に関する情報はないので、それは金を出して手に入れてもいいかもしれない。

さて、おまけ。青空文庫には5000とも10000とも言われる作品が収録されているのだが、ぜひ読んでほしい作品がふたつある。これは重要な作品だろう。このエントリーを読まれた方でKINDLEを持っている方は、ぜひこの方法でKINDLEに取り込み読んでください。
 それは
日本国憲法
・あたらしい憲法のはなし

*1:2012年12月1日に再トライしたら、全ページがPDF化できました。訂正します。