odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

反差別

笠井潔/野間易通「3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs」(集英社新書)-1 21世紀の社会運動に関与してきた人たちが、2011.3.11以後の変化を語り合う。

2015年12月から半年かけて二人の間で交わされた交換エッセー。21世紀の社会運動に関与してきた人たちが、2011.3.11以後の変化を語り合う。もとは集英社のwebで公開されていたのを完結後に一冊にまとめた。一時期は全文がWebにあったが、現在公開されているの…

笠井潔/野間易通「3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs」(集英社新書)-2 2013年2月に呼びかけがあって同年9月に解散した「レイスストをしばき隊」。反レイシズム運動は実務集団で、結集するが団結しない。

2017/05/09 笠井潔/野間易通「3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs」(集英社新書)-1 2016年の続き。 2013年2月に呼びかけがあって同年9月に解散した「レイスストをしばき隊」。「しばき」という語感に惑わされてか(意図的な誤解か)、「しばき隊…

T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 1972年10月に戒厳令が布かれて以来の緊迫する韓国の政情を伝える匿名者の報告。

内容と著者をめぐって問題があるらしい。2003年になって著者が明らかにされ、著述方法がわかった。著者自身は韓国に入国することがかなわないので、知人その他を通じて韓国の情報を伝えてもらう。それを編集して文章にまとめた。当時の韓国は新聞その他のメ…

T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 1974-75年の韓国状況。軍人の独裁政治と不況で人権の侵害と無視が横行する。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き1974年7月から1975年6月までのレポート。田中角栄がロッキード疑獄で退陣し、三木に総理大臣が変わった。アメリカの大統領もニクソンが失脚し、ジョンソンに代わっていた。大きな出来事はベトナム…

T・K生「第3 韓国からの通信」(岩波新書) 1975-77年の韓国の状況。日本企業は韓国に投資し、独裁政権の人権侵害と公害輸出に加担する。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/26 T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き、1975年5月から1977年8月にかけてのレポート。 主な主題は「3.1民主救国宣言」裁判。1976年3月に思想・良心の自由がないこと、韓国の経済が…

T・K生「軍政と受難」(岩波新書) 1977-80年の韓国の状況。朴大統領暗殺と光州事件。

2013/07/29 T・K生「韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/26 T・K生「続・韓国からの通信」(岩波新書) 2013/07/25 T・K生「第3 韓国からの通信」(岩波新書) 引き続き、1977年11月から1980年7月にかけてのレポート。 おさらいすると朴正煕(パク・チョ…

四方田犬彦「われらが<他者>なる韓国」(平凡社ライブラリ)

大江健三郎が「世界の40年」で、「韓国からの通信」の感想としてあれほど感情的でなくても、ということを述べていた。そこで、この本を読んでみる。著者は25歳のときに、建国大学の日本語講師としてソウルにいき、半年をそこで過ごした。途中、大統領の暗殺…

本多勝一「アメリカ合州国」(朝日新聞社) 差別を経験したいなら被差別者と行動すればよい。1960年代の命がけの取材まとめ。

1969年に著者が「アメリカ」という国を取材した時の模様。 1.ベトナム戦争から帰郷したブライ軍曹 ・・・ 1969年はベトナムに派遣された米軍兵士数が最大になった年。この時最初に兵士が撤退された。その黒人軍曹を取材する。白人カメラマンなどと同行した…

ネリン・ガン/グリフィン他「ダラスの赤いバラ・わたしのように黒く」(筑摩書房) 白人ジャーナリストが黒人に変装してもっとも人種差別の激しいディープ・サウスと呼ばれる地域をヒッチハイクした記録。

この国には8月15日や2月26日のように、その日付がある出来事というか感情というか国家と個人の両方の入り混じった記憶や感傷を喚起させる日付がある。アメリカにとっては7月4日と11月22日(あと9月11日)がそれになるだろう。前者は独立記念日、後者はケネデ…