共産趣味
「エンゲルスの著作。1850年に『新ライン新聞・政治経済評論』第5・6合併号に掲載したもの。ドイツの三月革命(1848〜49)の敗北から2年間にわたる革命運動の沈滞した状況下にあって、大農民戦争(1524〜25)の時期に力強く闘ったドイツ農民の姿を描いて労働…
上巻を読んでから1年ほど放置。一気にまとめて読んだ。 この本は「社会主義」を勉強する際の教科書といわれてきたのであるが、それは過去の話。上巻の感想でもあるように、1870年代の自然科学分野をほぼ網羅しているので、当時としては画期的な本であった。…
この歴史的書物に関しては、生半可なことしかいえないので、本質とは全然無関係の駄弁を連ねることにする。 感心したひとつは、著者エンゲルスが類まれな知識の持ち主であって、たんに経済学と歴史の専門家であるばかりでなく、化学、物理学、生物学、数学な…
マルクスにアソシエーショナリズムの考えがあると読んだことがあるのだが、岩波文庫版「共産党宣言」を見返したときにはそんな記述はみつからなかった。こちらの講談社文庫版で読み直すと、それらしきものがあった。II章「プロレタリアと共産主義者たち」…
いくつか。 ・マルクスの有名な言葉に「宗教は阿片である」というのがあるが、いまだに原文に遭遇しない(『ヘーゲル法哲学批判序論』にあるとのこと)。このドイデで宗教に触れていたところを見ると、マルクスは宗教全般を完全否定したのではなくて、国家が…
さて最終部。1933年から34年にかけて。重要なことは、 ・スパイMに指導された共産党幹部と全協幹部の大規模な逮捕があって、非常時共産党はほぼ壊滅した。 ・残された宮本、袴田、大泉、小畑ら数名が幹部となって再建したが、袴田の指摘により宮本といっしょ…
引き続き、1930年から1932年までを記述。この間の情勢で重要なことは、 ・コミンテルンの方針により、「天皇制打倒」が主スローガンになったこと。共産党の主張のみならず、傘下の労働組合にも綱領に掲げるように要請した。その結果は、労働組合が治安維持法…
戦前の共産党の実態はどうだったか。その成立のいきさつ、コミンテルンによる支配、資金の出所、組織、相次ぐ転向者など──戦時下の弾圧による党崩壊までの激動の歴史を実証的に追い、当時の関係者の証言を記録する。理論や主張としてではなく、生きた人間研…