odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

宗教

荒井献「イエス・キリスト 上」(講談社学術文庫)

小学校3年生のときに「ヨハネによる福音書」をもらって読んでから、イエスは気になる人だった。折に触れて福音書を読み直しているが、謎めいているのには変わりない。この人がとても重要であるのはわかるのだが、自分とのかかわりをどのようにまとめていけば…

小田垣雅也「キリスト教の歴史」(講談社学術文庫) 西のキリスト教会が世俗化していった千年の歴史は裏西洋哲学史。

「旧約聖書を生んだユダヤの歴史から説き起こし、真のイエス像と使徒たちの布教活動を考察。その後の迫害や教義の確立、正統と異端との論争、教会の堕落と改革運動など、古代から中世を経て近代、現代に至るキリスト教の歴史を、各時代の思想、政治・社会情…

日本古典「どちりな きりしたん」(岩波文庫) 1566年に形になったローマの教理問答の日本語版が1592年には作られていた。

現代風に読めば「ドクトリーナ・キリシタム」。キリスト教の教義書、とでもいうことになるのだろうか。師弟の問答で書かれているので通常は「教義問答」と訳されるとのこと。クラシック音楽経由でラテン語を見聞きする(勉強ではない。ミサ曲CDには必ずラ…

マービン マイヤー「ユダの福音書 DVDブック ビジュアル保存版 」(日経ナショナルジオグラフィック社)

世界中に衝撃を与えた「ユダの福音書」。その発見から修復、解読にいたる全プロセスのエッセンスを映像にしたDVDと解説書を組み合わせたDVDブック。DVDは、「ユダの福音書」解読までのドキュメントはもちろんのこと、プロジェクト関係者、ならびに識者のコメ…

エリエット・アベカシス「クムラン」(角川文庫) 死海文書をネタにしたミステリー。それより音楽やダンスによるトランス状態が重要であるユダヤ教に「異」なるものを見る。

イスラエル建国前夜、クムラン洞窟で二千年の封印を解かれ発見された死海文書――。そして半世紀後、この謎に満ちた古文書の盗難を発端に恐怖の殺人事件が始まる。古文書捜索を依頼された考古学者ダビットと息子アリーは真相を突き止めるため旅立つが、接近を…