odd_hatchの読書ノート

エントリーは3200を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2024/11/5

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

フョードル・ドストエフスキー「白痴 上」(新潮文庫)第2編1-5 ロゴージンの前から許嫁が消え、ロゴージンはムイシュキンを襲う。

2024/12/02 フョードル・ドストエフスキー「白痴 上」(新潮文庫)第1編12-16 ナスターシャの部屋。集まった人々が事件を持ち込み、この世を浄化する炎が舞い上がる。 1868年の続き ムイシュキンはぺテルブルクの街を歩き回る。ラスコーリニコフも歩き回っ…

フョードル・ドストエフスキー「白痴 上」(新潮文庫)第2編6-12 金儲けの欲望にまみれた地上の人間は金に執着しない天使人間の前で醜態をさらす。

2024/11/29 フョードル・ドストエフスキー「白痴 上」(新潮文庫)第2編1-5 ロゴージンの前から許嫁の消え、ロゴージンはムイシュキンを襲う。 1868年の続き 新潮文庫の木村浩訳は人名を原文通りにしているようだ。そのために、同一人物がさまざまな名で呼…

フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第3編1-4 天使人間ムイシュキンに魅了された二人の娘は愛情と嫉妬と憎悪に分裂する。

2024/11/28 フョードル・ドストエフスキー「白痴 上」(新潮文庫)第2編6-12 金儲けの欲望にまみれた地上の人間は金に執着しない天使人間の前で醜態をさらす。 1868年の続き 現代は英語の「idiot」に相当する言葉。これを「白痴」と強い言葉にしたのはムイ…

フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第3編5-10 余命わずかの青年は世界と神を憎悪し、自由意志による行動に失敗する。

2024/11/26 フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第3編1-4 天使人間ムイシュキンに魅了された二人の娘は愛情と嫉妬と憎悪に分裂する。 1868年の続き 第3編の中盤は、18歳の少年イポリートが大活躍。身体を動かすことは苦手だから、言葉を…

フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第4編1-7 女好き、神がかり、金儲けの欲望を持たない天使人間が結婚することになり、世界が混乱する。

2024/11/25 フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第3編5-10 余命わずかの青年は世界と神を憎悪し、自由意志による行動に失敗する。 1868年の続き ムイシュキンは誰とでも同じように接し、同じ距離を保って会話し、誰かに肩入れすることがな…

フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第4編8-12 欲望を持たない天使人間は人間を理解しようと人間世界に入ると、多くの人を傷つける。

2024/11/22 フョードル・ドストエフスキー「白痴 下」(新潮文庫)第4編1-7 女好き、神がかり、金儲けの欲望を持たない天使人間が結婚することになり、世界が混乱する。 1868年の続き 天使人間が人間を理解しようとして人間の関係の中に入っていくと、誰を…

江川卓「謎とき『白痴』」(新潮社) 小説の象徴界をとらえそこねたので、引用でページを埋めるしかなかった。

「白痴」を二週間かけて読んだので、答え合わせのように読み達者のエッセイを読む。評論や研究は元の作品を読んでから参照するのがよい。元の作品を読み直すのは、評論や研究をいったん忘れてから。 1 「美しい人」の屍 ・・・ 小説全編が死にまつわるエピ…

フョードル・ドストエフスキー「永遠の夫」(河出書房)-2 卑屈で奴隷になりたがる寝取られ男は娘をいたぶる残虐さを併せ持つ二面性の持主。

再読したのは神西清訳(岩波文庫1952年→青空文庫)。旧字旧かなを使用し、語彙の古い。でもドスト氏の「永遠の夫」は1870年に出たので、古めの訳のほうがドスト氏の時代にはあっているのではないか。 www.aozora.gr.jp 前回の感想は以下。サマリーにはいくつ…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部1.2 女性依存のステパン氏は捨てられることになっておろおろし、放蕩息子スタヴローギンが帰還する

ドストエフスキーの「悪霊」を再読する。1871年に雑誌に連載された。過去に米川正夫訳(河出書房新社)で読んだので、今回は入手しやすい江川卓訳(新潮文庫)で。 第1部第1章 序に代えて ステパン・ヴェルホーヴェンスキー氏外伝 ・・・ この小説では一番上…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部3.4 得体のしれないスタヴローギンの友人たちも帰ってくる

2024/11/15 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部1.2 女性依存のステパン氏は捨てられることになっておろおろし、放蕩息子スタヴローギンが帰還する 1871年の続き 新世代のスタヴローギンもピョートルも小説の外にいるので、話は現在(…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部5 スタヴローギンの過去が暴かれれ、ステパン氏は引きこもる

2024/11/14 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部3.4 得体のしれないスタヴローギンの友人たちも帰ってくる 1871年に続く 今までの話にはまったく絡んでいないスタヴローギン、ピョートル、シャートフ、キリーロフ、レビャートキン、マ…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部1 スタヴローギンの得体のしれない友人たちは人神論・陰謀論・宗教国家論をわめきたてる

2024/11/12 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第1部5 スタヴローギンの過去が暴かれれ、ステパン氏は引きこもる 1871年の続き 第1部の終りでそれまでの主人公ステパン氏が失意のうちに引きこもってしまったので、物語は子の世代たちが主…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部2.3.4 スタヴローギンは殺人扇動をし、決闘でピストルで相手を狙わない。

2024/11/11 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部1 スタヴローギンの得体のしれない友人たちは人神論・陰謀論・宗教国家論をわめきたてる 1871年の続き スタヴローギンは深夜に歩き回る。4年前のペテルブルクのできごとを回収するため…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部5.6 ピョートルは策謀の仕込みを進め、スタヴローギンは粛清を示唆する

2024/11/08 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部2.3.4 スタヴローギンは殺人扇動をし、決闘でピストルで相手を狙わない。 1871年の続き 第2部になって3分の1ほどが経過するが、スタヴローギンの決闘という出来事のほかは静かなの…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 下」(新潮文庫)第2部7.8 ピョートルの秘密結社は全体主義運動の陰謀団になり、スタヴローギンは首領になるよう懇願される

2024/11/07 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 上」(新潮文庫)第2部5.6 ピョートルは策謀の仕込みを進め、スタヴローギンは粛清を示唆する 1871年の続き 徐々に秘密結社の様子が分かってくる。数年前にペテルブルクで結成された結社があり、アメリカに数…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 下」(新潮文庫)第2部補章スタヴローギンの告白 彼が沈黙している理由がわかる。スタヴローギンはマルメラードフの被虐とラスコーリニコフの過剰な自意識を持った複雑な人間

2024/11/05 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 下」(新潮文庫)第2部7.8 ピョートルの秘密結社は全体主義運動の陰謀団になり、スタヴローギンは首領になるよう懇願される 1871年の続き この章は第8章「イワン皇子」に続くものとして書かれた。しかし雑誌…

フョードル・ドストエフスキー「悪霊 下」(新潮文庫)第2部9.10 舞台劇のようなシチュエーションコメディ

2024/11/04 フョードル・ドストエフスキー「悪霊 下」(新潮文庫)第2部補章スタヴローギンの告白 彼が沈黙している理由がわかる。スタヴローギンはマルメラードフの被虐とラスコーリニコフの過剰な自意識を持った複雑な人間 1871年の続き 第9章 ステパン氏…