2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧
2024/10/01 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 2」(光文社古典新訳文庫)第2部第4編「錯乱」 錯乱しているのはカラマーゾフの兄弟だけではない。関係者も錯乱している。 1880年の続き さて、この小説で最も重たいところにきた。解説や評論…
2024/09/30 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 2」(光文社古典新訳文庫)第2部第5編「プロとコントラ」 イワンの長広舌。肯定しているのは誰で、否定しているのは誰? 1880年の続き イワンが作った物語詩「大審問官」を検討。編のタイトル…
2024/09/27 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 2」(光文社古典新訳文庫)第2部第5編「プロとコントラ」から「大審問官」 全体主義運動が演出する「奇跡・神秘・権威」が大衆を支配する 1880年の続き 第6編「ロシアの修道僧」 ・・・ 死に…
2024/09/26 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 2」(光文社古典新訳文庫)第2部第6編「ロシアの修道僧」 正義を実行しようとするゾシマは町を追い出される。 1880年の続き 修道僧ラキーチンは、カラマーゾフ家には女好き、神がかり、金儲け…
2024/09/24 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 3」(光文社古典新訳文庫)第3部第7編「アリョーシャ」 一本の葱が差し出され受け取ったアリョーシャは「生涯変わらない確固とした戦士」に生まれ変わる 1880年に続く これまでほとんど登場し…
2024/09/23 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 3」(光文社古典新訳文庫)第3部第8編「ミーチャ」 何もかも失ったと思い詰めたドミートリーはモークロエの大宴会で愛を見出す 1880年の続き 前の編では、ドミートリー(ミーチャ)が大慌てに…
2024/09/20 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 3」(光文社古典新訳文庫)第3部第9編「予審」 好色で金に執着していたドミートリーは逮捕されて神を愛している自分を発見し苦しみを引き受けることを決意する 1880年の続き 「カラマーゾフの…
2024/09/19 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第10編「少年たち」 13歳にして「社会主義者」をなのる若造登場。スタヴローギンによく似た少年は続編の主人公? 1880年の続き 次の編では次兄イワンに焦点が…
2024/09/17 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第11編「兄イワン」 思春期のリーザは気まぐれで、他人をいじめ、他人にいじめられることを望む 1880年の続き モスクワから帰ってきたイワンは、兄弟たちにあ…
2024/09/16 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第11編「兄イワン」(承前) 「お前のやりたいことを代わりに俺たちがやったのだ」という大審問官の論理でイワンはスメルジャコフに追い詰められる 1880年の続…
2024/09/13 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第11編「兄イワン」(承前) イワンの前に現れた紳士は悪魔でありスメルジャコフでありイワン自身である。この章は「大審問官」のパロディ。 1880年の続き フ…
2024/09/12 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第11編「兄イワン」(承前) ドミートリーは世界と神を愛するようになり無実の人殺しの罪を引き受けることを決意する 1880年の続き 2000年ころに新潮文庫がキ…
2024/09/10 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第12編「誤審」 ミーチャへの告発と弁護が交錯する法廷シーン。探偵小説マニアにはたまらない。 1880年の続き 第11編「誤審」(承前) ・・・ 前の章まででキ…
2024/09/09 フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 4」(光文社古典新訳文庫)第4部第12編「誤審」(承前) 否定する人=ヨーロッパは破滅し、肯定する人=ロシアは苦痛を受け入れる。 1880年の続き 裁判が終わってから5日目。町の人々の関心…
約20年ぶりの再読。前回の初読ではあれほど感動したのが、今回は困惑で終わってしまった。発見するところも少なく、小説に負けてしまった。そりゃ、登場するキャラの会話を楽しんだし、とんちんかんなユーモアも堪能したし、大審問官のような議論に頭をひね…
書簡を除くドスト氏の文章を全部読み、感想を書いた。自分の読みはどれくらいのものだったのか。ドスト氏自身の文章を読んでいるときには一切手を触れてこなかった他人の評論を、答え合わせみたいな気持ちで読んでみる。 ドストエフスキー翻訳家による解説書…
2024/09/03 原卓也「ドストエフスキー」(講談社現代新書)-1 「ペテルブルク」「革命」「シベリア」「ロシア正教」がキーワード。入門用参考書として最適。 1981年の続き 前半分はドスト氏の前半生と外的な影響。後半はドスト氏の後半生と内的なテーマ。 恋…